本書は、『新しい生殖医療技術のガイドライン改訂第2版』の改訂版。前版に比べ、臨床遺伝学に関する章を設け、子宮卵管造影など伝統的な技術や手術療法に関する解説も掲載し、先進性よりも生殖医療全般のガイドラインとしての特徴が顕著となっている。 ; 第2章「臨床遺伝学」では、遺伝学の基礎知識だけでなく、インフォームドコンセントや病歴家族歴の記載など、遺伝医療や診療の実践に関する解説が充実しているほか、遺伝カウンセリングに関する記載も豊富である。 ; 続く第3章「不妊症」と第4章「不育症」が本書の中心となる。 ; 第3章「不妊症」では、因子の種類ごとに症状や障害の解説があり、因子ごとの検査方法、治療法の種類ごとの解説が収録されている。 ; 第4章「不育症」も、因子ごとの検査方法、治療法の種類ごとの解説を見ることができる。 ; 第5章の「日本生殖医学会生殖医療従事者資格制度」には「社団法人日本生殖医療従事者資格制度規約」「生殖医療氏同意制度内規」が、第7章には平成15年度厚生科学研究費補助金研究報告書から「最適な不妊治療の選択指針」が、また付録として「日本生殖医学会理事会・倫理委員会の報告及び会告」、「日本産婦人科学会会告」、「遺伝的検査に関するガイドライン」、略語一覧などが掲載されている。各会告では、代理懐胎に関する見解や非配偶者間人工授精に関する見解など、学会の見解を知ることができる。