1920年(大正9年)から1928年(昭和3)までの、大正期新興美術運動に関わる美術作品、関連文献、展覧会目録などの資料を集成したもの。前書きによれば、大正期新興美術運動とは、「白樺派の周辺において展開したフュウザン会や草土社の運動に続いて台頭する動きで、西欧の立体派[キュビスムCubisme]やイタリア未来派[Futurismoフトゥリズモ]等に触発された美術運動」とある。作品を制作年順に収録したカラーの「図版編」、展覧会(主催、会場、概要、出品目録(一部)、関連文献、図版などを収録)や図書、雑誌の刊行などを編年体でまとめた「年表編」、4人の研究者の論文を収載した「論文編」からなる。巻末に、「主要作家略歴」(五十音順)、「図版リスト」(番号順)、「文献資料一覧」、「作家索引」(五十音順)を付す。