第１章　ディレンマに陥る「自由」 　１　「自由」は現代でも問題なのだろうか 　２　イラク人質事件と奇妙な「自己責任論」 　３　経済構造改革と過剰な「自己責任論」 　４　アメリカのイラク攻撃が示した「自由」のディレンマ 第２章　「なぜ人を殺してはならないのか」という問い 　１　神戸の殺人事件で説明責任が転換した 　２　功利主義でもカントでもうまくいかない 　３　バーリンの「自由論」の意味 　４　「……からの自由」は何を意味しているのか 第３章　ケンブリッジ・サークルと現代の「自由」 　１　ケインズとムーアとロレンス 　２　ムーアの倫理学と相対主義 　３　ウィトゲンシュタインとケンブリッジ 　４　現代の「自由」と情緒主義 第４章　援助交際と現代リベラリズム 　１　リベラリズムはなぜ援助交際を認めるのか 　２　現代のリベラリズムとは何か 　３　なぜリベラリズムは力を持たないのか 　４　古代ギリシャ人にとっての「自由」 　５　『アンティゴネ』の意味するもの 第５章　リベラリズムの語られない前提 　１　市場競争をめぐる四つの立場 　２　偶然性を排除して出てくる「個人」 ほか