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世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成
西川長夫, 渡辺公三 編
詳細情報
目次
- 世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成
- 目次
- 序 帝国の形成と国民化 西川長夫 3ー48
- はじめに/世紀転換期の風景/帝国と帝国意識の形成/帝国主義時代の国民統合と国民化/「国民」の創出と国民文化/まとめにかえてー戦争と地方と植民地
- I
- 1 西園寺公望と「国民国家」の形成 岩井忠熊 51ー72
- 皇室をめぐって
- はじめに/名門公家の西園寺/西園寺と皇室/西園寺と天皇/おわりに
- 2 世紀転換期の「国語」の位相 長志珠絵 73ー102
- 教化と文化の交差する場
- 国語の表象/「国民化」の技術/国語=言語の共有/音・言・歴史の相剋/「言語」と「国語」の分岐/国語の戦略の分化
- 3 国思想史学の成立 桂島宣弘 103ー126
- 帝国日本の形成と日本思想史の「発見」
- 「一国史」の成立/日本文化・日本思想の摘出ー中国を差異化しての/文献学といべもの 西洋との同一化としての/おわりに
- 4 日本史の誕生 小路田泰直 127ー145
- 『大日本編年史』の編纂について一
- はじめに/『大日本編年史』の編纂とその意図/アジアと普遍への志向/萎縮する意図と「日本史」への傾斜/おわりに
- 5 桜とナショナリズム 高木博志 147ー170
- 日清戦争以後のソメイヨシノの植樹
- はじめに/明治維新と桜/弘前城と桜/むすびにかえて
- 6 京都滑稽家列伝 福井純子 171ー193
- はじめに/一々庵百一/木葉散人/草廼舎錦隣子/花笠雨燕/五新堂、虎屋町小文
- 7 雑誌『太陽』の「十九世紀」特集号に見る世紀転換の意識 西川祐子 195ー218
- はじめに/雑誌『太陽』「十九世紀」特集号の位置づけ/「十九世紀」特集号の記事における一「西洋」「東洋」「日本」/「一十九世紀」特集号の表象情報とそのメッセ ージ/おわりに
- II
- 8 ラフカディオ・ハーンの世紀末 西成彦 221ー233
- 黄禍論を越えて
- はじめに一あなたがたー彼ら/ジャーナリストーフォークロリスト/日本論ー戦争論/わたしたちへ/おわりに:ハーンから宮沢賢治へ
- 9 ツーリズムと国民国家 中川成美 235ー262
- 書記される〈西欧近代〉
- はじめに/ツーリズムの発生/ツーリズムのハード・ウエア、ソフト.ウエア/書記されるツーリズム
- 10 崩壊する日本語 小熊英二 263ー283
- 台湾統治初期における日本語教育論議
- 「精神ヲ征服」する手段/言語観の対立/露呈する不統一/崩れゆく、日本語」
- 11 日本語論のなかのアジア像 安田敏朗 285ー301
- はじめに/日本語系統論のなかのアジア像/日本語簡易化論のなかのアジア像/まとめにかえて
- 12 陸羯南の国際観 全且喚 303ー333
- はじめに/国民主義と国際論/外政論からみた国際観/陸揚南と第三世界の民族主義/おわりに
- 13 帝国「日本」の自画像 今西 一 335ー356
- 一九二〇年代の朝鮮「同化」論
- はじめに/研究史への所感/原敬首相の「内地延長」論/「文化政治」と統治論議/青柳綱太郎の「徳光的大日本主義」/おわりに
- 14 植民地「朝鮮」における「国文学史」の成立 姜海守 357ー384
- 趨潤済の「文学史」叙述を中心にして
- はじめに/京城帝国大学「朝鮮語文学科」の設置と趨潤済/「民族史観」の創出と『国文学史』叙述の始まり/「国文学」の理念/〈理念としての形式〉 『朝鮮詩歌史綱』といベテキスト/「純韓国文学」の言説と「漢文学」/おわりに
- III
- 15 世紀転換期における植民地総督とイギリス帝国 川村朋貴 387ー410
- はじめに/世紀転換期におけるイギリス帝国“植民地体制/インド副王と自治領総督/非自治領の植民地総督/植民地総督の社交生活とその意義/むすびにかえて
- 16 一九世紀末フランス社会の政治的反ユダヤ主義 中谷猛 411ー436
- 国民意識の変容過程
- 近代フランスと反ユダヤ主義/E・ドリュモンの言説と伝統と歴史に基づく「祖国」像ージャンヌ・ダルク像への旋回/精神医学を論拠にした「さまよえるユダヤ人」像の問題/保守的カトリックの知的ヘゲモニー
- 17 「ドイツ国民」から,フランス国民」へ 中本真生子 437ー453
- 第一次大戦直後のアルザスにおけるフランス化をめぐって
- アルザスと「国民化」/「遅れてきた国民」としてのアルザス人/アルザスのフランス化/小学校教師とフランス化/国民化と「アルザス」の変容
- 18 コルシカ地域・自治主義運動の展開と「コルシカ方言」の形成 長谷川秀樹 455ー475
- ヨーロッパにおける「中核」ー「周縁」の重層的形成と「民族性」意識の醸成/「植民化なき植民地」 一九世紀コルシカの状況/コルシカにおける地域・自治主義運動の展開/「コルシカ方言」をめぐるイタリア、コルシカ、フランスの対立/ヨーロッパの「周縁」1地中海島嶼地域 における自治主義運動形成の背景
- 19 第三共和政期フランスの公教育と植民地 平野千果子 477ー495
- 人種主義の観点から教科書を読む
- 共和主義教育と植民地/白色人種と北アフリカの人びと/「文明化」された者/『マルセルの子供たち』/結びにかえて
- 20 世紀転換期フランスにおける市民口兵士の同一性の変容 渡辺公三 497ー517
- はじめに/国民国家における登録と動員の問題/国民国家の成長と司法記録保管制度(Casier Judiciaire)の創設/世紀末における同一化空間のネットワーク/おわりに
- あとがき 西川長夫・渡辺公三 519ー527
- 執筆者紹介 529ー532

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