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資料種別 図書

漢詩名句辞典

鎌田正, 米山寅太郎 著

詳細情報

タイトル 漢詩名句辞典
著者 鎌田正, 米山寅太郎 著
著者標目 鎌田, 正, 1911-2008
著者標目 米山, 寅太郎, 1914-2007
出版地(国名コード) JP
出版地東京
出版社大修館書店
出版年月日等 1980.6
大きさ、容量等 731, 71p ; 22cm
注記 漢詩参考年表: p719~727
価格 5800円 (税込)
JP番号 80030890
出版年(W3CDTF) 1980
件名(キーワード) 中国詩--辞書
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件名(キーワード) 中国詩--評釈
NDLC KK62
NDLC KK372
NDLC KG812
NDC(8版) 921
対象利用者 一般
資料の種別 図書
言語(ISO639-2形式) jpn : 日本語

目次
 

  • 漢詩名句辞典
  • 漢詩名句辞典 目次
  • 序(諸橋轍次) 凡例
  • 第一編 自然の鑑賞
  • 一 四季 二
  • 春 二
  • 夏 二五
  • 秋 三三
  • 冬 六二
  • 朝夕 七一
  • 二 天象 八四
  • 天体 八四
  • 気象 九二
  • 三 探美 九九
  • 優麗 九九
  • 幽邃 一〇五
  • 寂寞 一二二
  • 広漠 一三四
  • 清爽 一五四
  • 第二編 人生の諸相
  • 一 学問・修養 一六四
  • 立志 一六四
  • 読書 一七六
  • 二 人生の慕情 一八一
  • 情愛(肉親) 一八一
  • 情愛(夫婦) 一九〇
  • 情愛(異性) 二〇八
  • 情愛(朋友) 二一九
  • 望郷 二二八
  • 三 人生の快適 二五七
  • 飲酒 二五七
  • 遊覧 二七九
  • 慶祝 二八四
  • 四 人生の哀愁 二八八
  • 無常 二八八
  • 憂愁 三二三
  • 送別 三五〇
  • 別離 三七三
  • 行旅 三八六
  • 逆境 四〇五
  • 哀悼 四一九
  • 五 処世 四三四
  • 教戒 四三四
  • 閑適 四七六
  • 六 懐旧 五〇六
  • 回想 五〇六
  • 詠史 五二四
  • 自責 五四四
  • 第三編 社会への燃焼
  • 一 治乱興亡 五五〇
  • 政治と社会 五五〇
  • 征戦と乱世 五五八
  • 塞外 五八二
  • 二 憂国慨世 五九〇
  • 慨世 五九〇
  • 悲壮 六〇二
  • 誠忠 六一一
  • 第四編 雑詠
  • 一 詠物 六二二
  • 花木 六二二
  • 禽鳥 六三五
  • 二 その他 六三九
  • 美女 六三九
  • 賛嘆 六四六
  • 付録
  • 一 漢詩について 六五二
  • 二 作者解説 六五九
  • 三 出典解説 七〇一
  • 四 漢詩参考年表 七一九
  • 五 中国歴史地図 七二八
  • 索引
  • 1 詩句索引 巻末三
  • 2 作者別詩題索引 巻末三〇
  • 3 語句索引 巻末四六
  • 目次(細目)
  • 第一編 自然の鑑賞
  • 一 四季 二
  • 春 二
  • 1 池塘 春草生じ 園柳 鳴禽変ず 池上楼に登る・謝霊運 二
  • 2 魚戯れて新荷動き 鳥散じて余花落つ 東田に游(あそ)ぶ・謝眺(しやちよう) 三
  • 3 水は桃花を逐(お)いて去り 春は楊柳に随いて帰る 蕭記室の、春の旦(あした)に思う所有りに和す・費昶(ひちよう) 三
  • 4 葉は密にして鳥の飛ぶこと礙(さまた)げられ 風は軽くして花の落つること遅し 折楊柳・簡文帝 四
  • 5 蝶は黄に花は紫に 燕は相追う 楊は低く柳は合して路塵飛ぶ 雑句春情・簡文帝 四
  • 6 雲霞 海を出でて曙(あ)け 梅柳 江を度(わた)って春なり 晋陵の陸丞(りくじよう)の早春遊望に和す・杜審言 五
  • 7 春眠 暁を覚えず 処処 啼鳥を聞く 春暁・孟浩然 六
  • 8 巳に寒梅の発(ひら)くを見 復た啼鳥の声を聞く 雑詩・王維 六
  • 9 雉〓(きじな)きて 麦苗秀で 蚕眠りて 桑葉稀なり 渭川(いせん)の田家・王維 六
  • 10 遅日江山麗しく 春風 花草 香(かんば)し 絶句二首(其の一)・杜甫 六
  • 11 泥融けて燕子飛び 沙(すな) 暖かにして 鴛鴦(えんおう)睡る 絶句二首(其の一)・杜甫 七
  • 12 江碧(みどり)にして鳥逾〓白く 山青くして 花然(も)えんと欲す 絶句二首(其の二)・杜甫 七
  • 13 両箇(りようこ)の黄〓(こうり) 翠柳(すいりゆう)に鳴き 一行の白鷺青天に上る 絶句四首(其の三)・杜甫 八
  • 14 花を穿つ〓蝶(きようちよう)は深深として見え 水に点ずる蜻〓(せいてい)は 款款(かんかん)として飛ぶ 曲江二首(其の二)・杜甫 八
  • 15 遠〓 水に浮かんで静かに 軽燕 風を受けて 斜めなり 春帰・杜甫 八
  • 16 芳樹人無く 花自ら落ち 春山一路 鳥空しく啼く 春行興を寄す・李華 九
  • 17 野渡 花争いて発き 春塘水乱れて流る 王牧の吉州に往きて史君叔に謁するを送る・李嘉祐 九
  • 18 長楽の鐘声 花外に尽き 竜池の柳色 雨中に深し 闕下(けつか)の裴舎人(はいしやじん)に贈(おく)る・銭起 一〇
  • 19 柳気力無くして 枝先ず動き 池に波紋有りて 氷尽く開く 府西の池.白居易 一一
  • 20 野火 焼けども尽きず 春風 吹きて又生ず 草・白居易 一一
  • 21 鶯の声に誘引せられて 花の下に来たり 草の色に拘留せられて 水の辺(ほとり)に坐(お)り 春江.白居易 一二
  • 22 白片の落梅は〓水に浮かび 黄梢の新柳は 城墻より出でたり 春至る.白居易 一二
  • 23 今日春を送るの心 心は親故に別るるがごとし 春を送る・白居易 一三
  • 24 洲芳しくして杜若心を抽んでて長じ 沙暖かにして鴛鴦翅(えんおうつばさ)を敷いて眠る 昆明の春水満つ・白居易 一四
  • 25 霧を帯びて山鶯啼くこと尚お少なく 沙を穿ちて 蘆筍(ろじゆん)葉〓かに分かる 早春李校書を尋ぬ・元〓 一四
  • 26 千里鶯啼いて 緑紅に映ず 水村山郭酒旗の風 江南の春・杜牧 一五
  • 27 草は〓くして 沙を侵して短く 冰は軽くして 雨を著して消ゆ 早春・司空図 一五
  • 28 風暖かにして 鳥声砕け 日高くして 花影重なる 春宮・杜荀鶴 一六
  • 29 梨花院落 溶溶の月 柳絮池塘 淡淡の風 寓意・晏殊(あんしゆ) 一六
  • 30 春陰野に垂れて 草青青 時に幽花有りて一樹明らかなり 淮中晩に犢頭(とくとう)に泊す・蘇舜欽(そしゆんきん) 一七
  • 31 春色 人を悩まして 眠り得ず 月移りて 花影 闌干に上る 夜直・王安石 一八
  • 32 春宵一刻 直千金 花に清香有り 月に陰有り 春夜・蘇軾(そしよく) 一八
  • 33 竹外の桃花 三両枝 春江 水暖かにして 鴨(おう)先ず知る 恵崇(えすう)の春江晩景二首(其の一)・蘇軾 一九
  • 34 疎疎たり 一簾の雨 淡淡たり 満枝の花 試院にて懐(おも)いを書す・陳与義 一九
  • 35 十日 雨糸 風片の裏(うち) 濃春の煙景 残秋に似たり 秦淮雑詩六首(其の一)・王士〓(おうししん) 二〇
  • 36 柳条 風未だ煖(あたた)かならず 梅花 雪猶お寒し 春日左僕射長屋王(さぼくやながやおう)が宅に於いて宴(うたげ)す・塩屋古麻呂 二〇
  • 37 気霽(は)れて 風新柳の髪を梳り 氷消えて 浪旧苔の鬚を洗う 春暖・都良香 二一
  • 38 落花狼籍たり 風狂じての後 啼鳥竜鐘(りようしよう)たり
  • 雨打つの時 残春を惜しむ・大江朝綱二一
  • 39 誰か言う 春色 東より到ると 露暖かにして 南枝花始めて開く 春の花を尋ぬ・菅原文時 二二
  • 40 誰か謂う 水心無しと 濃艶臨めば 波色を変ず 暮春宴に冷泉院(れいぜいいん)の池亭に侍し……・菅原文時 二三
  • 41 一行の斜鴈 雲端に滅(き)え 二月の余花 野外に飛ぶ 春日の眺望・源順(みなもとのしたごう) 二三
  • 42 東岸西岸の柳 遅速同じからず 南枝北枝の梅 開落已に異なり 慶滋保胤(よししげのやすたね) 二四
  • 43 雨湿して 鶯衣重く 風暄(あたた)かにして 蝶袖軽し 幽居即時・石川丈山 二四
  • 44 天地有情 春合に識(し)るべし 今年今日 又歓びを成す 無題・夏目漱石 二五
  • 夏 二五
  • 45 荷風 香気を送り 竹露 清響を滴らしむ 夏日、南亭に辛大を懐う・孟浩然 二五
  • 46 清江一曲 村を抱きて流る 長夏江村 事事幽なり 江村・杜甫 二六
  • 47 甕(もたい)の頭(ほとり)の竹葉は 春を経て熟し 階(はし)の底(もと)の薔薇(しようび)は 夏に入って開く 薔薇正に開き……・白居易 二六
  • 48 緑樹 陰濃やかにして 夏日長し 楼台 影を倒にして 池塘に入る 山亭夏日・高〓(こうべん) 二七
  • 49 四月清和 雨乍(たちま)ち晴れ 南山戸に当たって 転(うた)た分明 初夏・司馬光 二七
  • 50 柳葉鳴蜩(めいちよう) 緑暗し 荷花落日 紅酣(たけなわ)なり 西太一宮の壁に題す二首(其の一)・王安石 二八
  • 51 一水 田を護り 緑を将(もつ)て繞り 両山 闥(たつ)を排して 青を送り来たる 湖陰先生の壁に書す・王安石 二九
  • 52 晴日 暖風 麦気を生じ 緑陰 幽草 花時に勝る 初夏即時・王安石 二九
  • 53 白水 満つる時 双鷺下り 緑槐 高き処 一〓吟ず 渓陰堂・蘇軾 三〇
  • 54 竹深く樹密にして 虫鳴く処 時に微涼有るも是れ風ならず 夏夜涼を追う・楊万里 三〇
  • 55 百花過ぎ尽きて 緑蔭成り 漠漠たる炉香 晩晴に睡る 新夏事に感ず・陸游 三一
  • 56 水満ちて乳鳧(にゆうふ) 藕葉を翻し 風疎らに飛燕 桐花を払う 初夏の江村・高啓 三一
  • 57 天河は只だ南楼の上に在り 借さず 人間一滴の涼 暑夜・釈宗〓(しやくそうろく) 三二
  • 58 池冷しうして 水に三伏の夏無く 松高うして 風に一声の秋有り 夏日閑にして暑を避く・源英明(みなもとのふさあきら) 三二
  • 秋 三三
  • 59 秋風起こって 白雲飛び 草木黄落して 雁 南に帰る 秋風の辞・武帝(劉徹) 三三
  • 60 明月 皎として夜に光り 促織 東壁に鳴く 古詩十九首(其の七)・無名氏 三四
  • 61 秋風蕭瑟(しようしつ)として 天気涼しく 草木揺落して 露は霜と為る 燕歌行・文帝 三四
  • 62 四時 代序して 逝いて追えず 寒風習習として 落葉飛ぶ 燕歌行・陸機 三五
  • 63 野曠(むな)しくして 沙岸浄く 天高くして 秋月明らかなり 初めて郡を去る・謝霊運 三五
  • 64 蕭瑟たり 風を含むの蝉 寥〓(りようれい)たり 雲を度るの雁 秋懐・謝恵連 三六
  • 65 白露 園菊に滋く 秋風 庭槐を落とす 擣衣(とうい)・謝恵連 三七
  • 66 長安 一片の月 万戸 衣を擣(う)つ声 子夜呉歌・李白 三八
  • 67 白酒新たに熟して 山中に帰る 黄鶏黍(きび)を啄んで 秋正に肥えたり 南陵にて児童に別れて京に入る・李白 三九
  • 68 青楓江上 秋天遠く 白帝城辺 古木疎なり 李少府の峡中に貶せられ……・高適 三九
  • 69 秋風落葉 正に悲しむに堪えたり 黄菊の残花 誰をか待たんと欲する 感懐・劉長卿(りゆうちようけい) 四〇
  • 70 竹涼 臥内を侵し 野月 庭隅に満つ 惓夜・杜甫 四一
  • 71 風急に天高くして 猿嘯(な)くこと哀し 渚清く沙白くして 鳥飛び廻る 登高・杜甫 四一
  • 72 何れの処よりか秋風至る 蕭蕭として雁群を送る 秋風引・劉禹錫(りゆううしやく) 四二
  • 73 月露 光彩を発す 此の時 方(まさ)に秋を見る 新秋楽天に寄す・劉禹錫 四二
  • 74 大抵四時心総べて苦しきも 就中腸(なかんずく)の断つは 是れ秋天 暮に立つ・白居易 四三
  • 75 霜草枯れんと欲して 忠思急なり 風枝未だ定まらず 鳥の棲むこと難し 夢得が秋庭に独坐して贈らるるに答う・白居易 四三
  • 76 八月九月 正に長き夜 千声万声 了(や)む時無し 夜の砧(きぬた)を聞く・白居易 四四
  • 77 潯陽江頭 夜客を送る 楓葉荻花 秋瑟瑟 琵琶行・白居易 四四
  • 78 蛍火 乱れ飛んで 秋 已に近く 星辰 早(つと)に没して 夜 初めて長し 夜坐・元〓 四七
  • 79 秋野 明らかにして 秋風 白し 塘水 〓〓(りようりよう) 虫嘖嘖(さくさく) 南山の田中行・李賀 四八
  • 80 深秋簾幕 千家の雨 落日楼台 一笛の風 宣州開元寺の水閣に題す……・杜牧 四九
  • 81 蒼苔 路熟(なめ)らかにして 僧 寺に帰り 紅葉 声乾いて 鹿 林に在り 雲際寺に宿す・温庭〓(おんていいん) 四九
  • 82 三秋の岸雪(がんせつ) 花 初めて白く 一夜の林霜 葉 尽く紅なり 磐石寺にて成公に留別す・温庭〓 四九
  • 83 棠梨(とうり) 葉落ちて 〓脂(えんじ)の色 蕎麦 花開きて 白雪香し 村行・王禹〓(おううしよう) 五〇
  • 84 百虫 夜を催(うなが)して去り 一雁 寒を領(おさ)めて起つ 月に歩す・文同 五〇
  • 85 欠月昏昏 漏未だ央(つ)きず 一灯明滅 秋牀(しゆうしよう)を照らす 〓渓駅・王安石 五一
  • 86 寂歴たる疎松 晩照に欹(そばだ)ち 伶〓(れいへい)たる寒蝶 秋花を抱く 周長官の寿星院にて……・蘇軾 五一
  • 87 秋野 人無く 秋日白し 禾黍(かしよ) 登場 秋 索索 福昌の北、秋日村行二首(其の一)・張耒(ちようらい) 五二
  • 88 豆田 黄時 霜 己に多く 桑虫 葉を食いて空柯(くうか)を留む 福昌の北、秋日村行二首(其の一)・張耒 五三
  • 89 小蝶 翩翩(へんべん)たり 晩花の紫に 野鶉(やじゆん) 粟を啄み 人に驚きて起つ 福昌の北、秋日村行二首(其の一)・張耒 五三
  • 90 一鈎(いつこう) 隙を窺(うかが)う月 数葉 眠りを攪(みだ)す秋 秋夕超然に示す・恵洪 五四
  • 91 好きは是れ日斜めに 風定まれる後 半江の紅樹 鱸魚を売る 真州絶句六首(其の四)・王士〓 五四
  • 92 秋来 何れの処か最も銷魂なる 残照 西風 白下の門 秋柳四首(其の一)・王士〓 五五
  • 93 縹緲たる涼天 数雁鳴き 幾家の砧杵(ちんしよ) 秋声を起こす 雁を聞く・玉士〓 五五
  • 94 林中 葉尽(このはつ)きて 秋云(ここ)に窮まる 神泉苑九日落葉篇・巨勢識人 五六
  • 95 秋を惜しみて 秋駐(とど)まらず 菊を思いで 菊纔(わず)かに残れり 暮秋、秋尽きて菊を翫ぶを賦す。令に応ず・菅原道真 五七
  • 96 潭菊粧いを落として 残色薄く 岸松老いを告げて 暮声頻りなり 九日後朝、朱雀院に侍し、同じく……・菅原道真 五七
  • 97 蘭は秋を送らんが為に深き紫を結ぶ 菊は水に臨むに依りて浅き黄を凝らす 重陽の後朝、同じく花に浅深有りを賦す・菅原道真 五八
  • 98 梁の上(ほとり) 鶏遅くして未だ暁けざるを知る 枕の辺 蛬(きりぎりす) 急にして秋深まらんと欲す 秋夜、弘文院に宿す・菅原道真 五八
  • 99 老松の窓下 風涼しき処 疎竹の籬頭(りとう) 月落つるの時 秋・菅原道真 五九
  • 100 嵐に随う落葉は 蕭瑟を含み 石に濺ぐ飛泉は 雅琴を弄ぶ 秋光、山水を変ず・源順 六〇
  • 101 群鴉(ぐんあ) 影は乱る 斜陽の外 驟雨 声は分かる落葉の間 麻布・岡田新川 六〇
  • 102 風は古〓を過ぎて 秋声起こり 日は幽篁に落ちて 暝色来たる 無題・夏目漱石 六一
  • 103 霜は爛葉を燃やす 寒暉(かんき)の外 客は残鴉を送る 夕照の中 無題・夏目漱石 六一
  • 冬 六二
  • 104 孟冬 寒気至り 北風 何ぞ惨慄 古詩十九首(其の十七)無名氏 六二
  • 105 朔風 厳寒を〓しくし 陰気 微霜を下す 詠懐詩十七首(其の十二)・阮籍(げんせき) 六三
  • 106 寒くして語る能わず 舌巻きて喉に入る 隴頭(ろうとう)歌辞・無名氏 六三
  • 107 風光 人覚らざるに 已に著く 後園の梅 除夜・王〓(おういん) 六四
  • 108 寒流月を帯びて 澄めること鏡のごとし 夕吹(せきすい)霜に和して 利(と)きこと刀に似たり 紅楼の宴別・白居易 六五
  • 109 千山 鳥飛ぶこと絶え 万径 人蹤(じんしよう)滅す 江雪・柳宗元 六五
  • 110 孤舟 蓑笠(さりゆう)の翁 独り釣る 寒江の雪 江雪・柳宗元 六五
  • 111 松は〓(そばだ)つ 半巌の雪 竹は覆う 一渓の氷 雲居の長老・王貞白 六六
  • 112 荷(はす)は尽きて 已に雨を〓(ささ)ぐるの蓋(かさ)無く 菊は残して 猶お霜に傲る枝有り 劉景文に贈る・蘇軾 六六
  • 113 一年の好景 君 須らく記すべし 正に是れ 橙黄 橘緑の時 劉景文に贈る・蘇軾 六七
  • 114 重衾脚冷やかにして 霜の重きを知り 新沐頭軽くして 髪の稀なるに感ず 除夜常州の城外に野宿す二首(其の一)・蘇軾 六七
  • 115 寒灯 挑(かか)ぐれども〓あらず 残火 撥(ひら)けば灰と成る 寒夜・陳師道 六八
  • 116 榾柮(こつとつ) 煙無く 雪夜長し 地炉 酒を〓(あたた)むれば 煖かきこと湯のごとし 冬日田園雑興十二首(其の八)・范成大 六八
  • 117 空山雪墜(お)ち 一声の鐘 花落ち花開き 万万に重なる 雪を詠む・袁枚(えんはい) 六八
  • 118 氷は水面を封じて聞くに浪無し 雪は林頭に点じて見るに花有り 臘月独興・菅原道真 六九
  • 119 雪は山堂を擁して 樹影深し 檐鈴(えんれい)動かず 夜沈沈 冬夜書を読む・菅茶山 七〇
  • 朝夕 七一
  • 120 山崗 余暎(よえい)有り 巌阿 重陰を増す 七哀の詩三首(其の二)・王粲 七一
  • 121 灼灼として西に〓(くず)るるの日 余光 我が衣を照らす 詠懐詩十七首(其の十四)・阮籍 七二
  • 122 気変じて時の易るを悟り 眠らずして夕の永きを知る 雑詩十二首(其の二)・陶潜 七二
  • 123 山気 日夕に佳なり 飛鳥 相与に還る 飲酒二十首(其の五)・陶潜 七三
  • 124 杳杳として日西に頽(くず)れ 漫漫として長路迫る 南楼中にて遅(ま)つ所の客を望む・謝霊運 七三
  • 125 林壑(りんがく)は暝色を斂(おさ)め 雲霞は夕霏を収む 石壁精舎湖中より還るの作・謝霊運 七三
  • 126 日暮 飛鳥還り 行人 去って息まず 臨高台黎拾遺を送る・謝霊運 七四
  • 127 返景 深林に入り 復た青苔の上を照らす 鹿柴・王維 七四
  • 128 荒城 古渡に臨み 落日 秋山に満つ 嵩山(すうざん)に帰りての作・王維 七五
  • 129 渡頭 落日余(のこ)り 墟里 孤煙上る 〓川間居裴秀才迪(はいしゆうさいてき)に贈る・王維 七五
  • 130 夜静かにして 羣動息(や)み 時に聞く 林を隔っる犬 春夜、竹亭にて銭少府の藍田に帰るを贈る・王維 七六
  • 131 秋水 落日明らかに 流光 遠山滅す 杜陵絶句・李白 七六
  • 132 返照 江に入って石壁に翻り 帰雲 樹を擁して山村を失す 返照・杜甫 七七
  • 133 朝には落花を〓んで相伴って出で 暮には飛鳥に随って一時に帰る 春来頻りに李二賓客と郭外に同遊し、……・白居易 七八
  • 134 遅遅たる鐘漏 初めて長きの夜 耿耿たる星河 曙けんと欲するの天 長恨歌・白居易 七八
  • 135 鳥は宿る 池中の樹 僧は敲く 月下の門 李疑の幽居に題す・賈島 七九
  • 136 蒹葭(けんか) 水暗くして 蛍 夜を知り 楊柳 風高くして 雁 秋を送る 常州にて陽給事に留与す・許渾(きよこん) 七九
  • 137 一声の山鳥 曙雲の外 万点の水蛍 秋草の中 楞伽寺(りようがじ)にて晨(あした)に起き舟を汎べてより……・許渾 八〇
  • 138 夕陽 無限に好し 只だ是れ黄昏に近し 楽遊原に登る・李商隠 八〇
  • 139 〓声 茅店の月 人迹 板橋の霜 商山の早行・温庭〓 八一
  • 140 万壑声有りて 晩籟を含み 数峰語無く 斜陽に立つ 村行・王禹〓 八一
  • 141 朝曦 客を迎えて 重岡艶なり 晩雨 人を留めて 酔郷に入らしむ 湖上に飲す初め晴れ後に雨ふる二首(其の一)・蘇軾 八二
  • 142 渡日の漁家 将に夕照ならんとす 一双の白鷺 虚舟を護る 秋江・太田錦城 八二
  • 143 花間の宿鳥 朝露を振るい 柳外の帰牛 夕陽を帯ぶ 無題・夏目漱石 八三
  • 二 天象 八四
  • 天体 八四
  • 144 月明らかに星稀に 烏鵲(うじやく)南に飛ぶ 短歌行・武帝 八四
  • 145 野は曠(ひろ)くして 天樹に低れ 江は清くして 月人に近し 建徳江に宿る・孟浩然 八四
  • 146 風は鳴らす 両岸の葉 月は照らす 一孤舟 桐廬江に宿り広陵の旧遊に寄す・孟浩然 八五
  • 147 牀前 月光を看る 疑うらくは是れ 地上の霜かと 静夜思・李白 八五
  • 148 却下す 水精の簾 玲瓏 秋月を望む 玉階怨・李白 八六
  • 149 峨眉山月 半輪の秋 影は平羌江水(へいきようこうすい)に入って流る 峨眉山月の歌・李白 八六
  • 150 月は葉に垂るる露に明らかに 雲は渓(たに)を度る風を逐う 秦州雑詩二十首(其の二)・杜甫 八六
  • 151 星は万戸に臨んで動き 月は九霄に傍(そ)いて多し 春左省に宿す・杜甫 八七
  • 152 石牀に孤り夜坐すれば 円月 寒山に上る ・寒山 八八
  • 153 独り門前に出でて 野田を望めば 月明らかにして 蕎麦 花雪のごとし 村夜・白居易 八八
  • 154 月 天心に到る処 風 水面に来たる時 清夜の吟・邵雍(しようよう) 八九
  • 155 長虹一たび出でて 林光動き 寂歴たる邨墟 空しく落暉 張主簿の草堂にて大雨を賦す・元好問 八九
  • 156 明月 流水を愛し 一輪 池上に明らかなり 水西亭夜坐・袁枚 九〇
  • 157 斗大の明星 爛として無数 長天の一月 林梢に墜つ 秋心三首(其の一)・〓自珍(きようじちん) 九〇
  • 158 金竜山畔 江月浮かぶ 江揺らぎ 月湧いて 金竜流る 夜墨水を下る・服部南郭 九一
  • 159 海城の寒柝(かんたく) 月 潮に生じ 波際の連檣 影 動揺す 松前城下の作・長尾秋水 九一
  • 気象 九二
  • 160 空濛として薄霧のごとく 散漫として軽埃に似たり 朝雨を観る・謝〓 九二
  • 161 江暗くして 雨来たらんと欲し 浪白くして 風初めて起こる 相送る・何遜 九三
  • 162 好雨 時節を知り 春に当たりて 乃ち発生す 春夜雨を喜ぶ・杜甫 九三
  • 163 庭前に白露有り 暗に菊花に満ちて団(しと)どなり 初月・杜甫 九三
  • 164 静かに愛す 花に和して落つるを 幽かに聞く 竹に入る声を 雨・僧皎然 九四
  • 165 雪は鵞毛に似て飛びて散乱し 人は鶴〓(かくしよう)を披(き)て立ちて徘徊す 令公雪中に贈られ、……・白居易 九五
  • 166 渓雲 初めて起こって 日 閣に沈み 山雨 来たらんと欲して 風 楼に満つ 咸陽城の東楼・許渾 九五
  • 167 黒雲 墨を翻して未だ山を遮らざるに 白雨 珠を跳らせて乱れて船に入る 六月二十七日望湖楼に酔うて書す五首(其の一)・蘇軾 九六
  • 168 水光 瀲〓(れんえん)として晴れ方に好し 山色 空濛として雨も亦た奇なり 湖上に飲す初め晴れ後に雨ふる二首(其の一)・蘇軾 九七
  • 169 的〓(てきれき) 芳塘に散じ 冥濛 雲気を結ぶ 雨に対す・朱熹(しゆき) 九七
  • 170 借問す 春風何れの処にか有ると 石前の幽竹 石前の蘭 自画に題す・夏目漱石 九八
  • 171 山老いて雲の行くこと急に 雨新たにして水の響くこと多し 函山雑咏(六)・夏目漱石 九九
  • 三 探美 九九
  • 優麗 九九
  • 172 余霞 散じて綺(あやぎぬ)を成し 澄江 静かにして練(ねりぎぬ)のごとし 晩(くれ)に三山に登りて京師を還望す・謝眺 九九
  • 173 青山 北郭に横たわり 白水 東城を遶(めぐ)る 友人を送る・李白 一〇〇
  • 174 暁に紅の湿う処を看ば 花は錦宮城に重からん 春夜雨を喜ぶ・杜甫 一〇〇
  • 175 緑の垂るるは 風 筍を折るなり 紅の綻(ほころ)ぶは 雨 梅を肥えしむるなり 〓広文に陪して何将軍の山林に遊ぶ・杜甫 一〇一
  • 176 岸花 飛びて客を送り 檣燕 語りて人を留む 潭州を発す・杜甫 一〇一
  • 177 碧(みどり)は知る 湖外の草 紅は見る 海東の雲 晴二首(其の一)・杜甫 一〇二
  • 178 〓花 暮雨に然(も)え 潭樹 春雲暖かなり 高官谷口に鄭〓(ていこ)を招く・岑参(しんじん) 一〇二
  • 179 瀟湘より何事ぞ 等間に回(かえ)る 水碧に沙明らかにして 両岸の苔 帰雁・銭起 一〇三
  • 180 雪は〓素(がんそ)のごとく 煙は柄(え)のごとし 白扇 倒(さかしま)に懸かる東海の天 富士山・石川丈山 一〇三
  • 181 誰か東海の水を将(も)ちて 濯い出す 玉芙蓉 富士山・柴野栗山 一〇四
  • 幽〓 一〇五
  • 182 糸と竹とを必とするに非ず 山水には清音有り 招隠の詩二首(其の一)・左思 一〇五
  • 183 葉低れて露の密なるを知り 崖断えて雲の重なるを識る 病を移して園に還り親属に示す・謝〓 一〇五
  • 184 水光懸かりて壁を蕩(うご)かし 山翠下りて流れに添う 春夜に奉和し令に応ず・〓肩吾(ゆけんご) 一〇六
  • 185 蝉噪(さわ)ぎて 林逾々(いよいよ)静かに 鳥鳴きて 山更に幽なり 若耶渓に入る・王籍 一〇六
  • 186 〓戸 寂として人無く 紛紛として開き且つ落つ 辛夷塢・王維 一〇七
  • 187 空山 人を見ず 但だ人語の響きを聞く 鹿柴・王維 一〇七
  • 188 深林 人知らず 明月 来たりて相照らす 竹里館・王維 一〇八
  • 189 寂寞 柴扉を掩い 蒼茫 落暉に対す 山居即事・王維 一〇八
  • 190 泉声 危石に咽(むせ)び 日色 青松に冷やかなり 香積寺(こうしやくじ)に過ぎる・王維 一〇九
  • 191 薄暮 空潭の曲(くま) 安禅 毒竜を制す 香積寺に過ぎる・王維 一〇九
  • 192 衆鳥 高く飛び尽きて 孤雲 独り去りて閑なり 独り敬亭山に坐す・李白 一一〇
  • 193 山光 鳥性を悦ばしめ 潭影 人心を空しうす 破山寺の後の禅院・常建 一一〇
  • 194 山は虚しくして 風は石を落とし 楼は静かにして 月は門を侵す 西閣の夜・杜甫 一一一
  • 195 落日簾鈎(れんこう)に在り 渓辺 春事幽かなり 落日・杜甫 一一一
  • 196 春山伴無く 独り相求む 伐木丁丁(ばつぼくとうとう) 山更に幽かなり 張氏の隠居に題す二首(其の一)・杜甫 一一二
  • 197 山 空しうして松子落(しようしお)つ 幽人 応に未だ眠らざるべし 秋夜丘二十二員外に寄す・韋応物 一一三
  • 198 春潮 雨を帯びて 晩来急なり 野渡人無く 舟自ら横たわる 〓州(じよしゆう)の西〓・韋応物 一一三
  • 199 寒山には唯だ白雲 寂寂として埃塵を絶す ・寒山 一一四
  • 200 庭際何の有る所ぞ 白雲 幽石を抱く ・寒山 一一四
  • 201 清〓(せいれい)数声 松下の鶴 寒光一点竹間の灯 家に在りて出家す・白居易 一一五
  • 202 茅簷(ぼうえん) 相対して坐すること終日 一鳥 鳴かず山更に幽なり 鍾山(しようざん)即事・王安石 一一五
  • 203 山花落ち尽くして 山長(とこし)えに在り 山水空しく流れて 山自ら閑なり 鍾山に遊ぶ・王安石 一一六
  • 204 渓声 便ち更れ広長舌 山色 豈に清浄身に非ざらんや 東林の総長老に贈る・蘇軾 一一六
  • 205 水清くして石を出だし 魚は数うべし 林深くして人無く 鳥は相呼ぶ 臘日、孤山に遊び恵勤(えごん)・恵思の二僧を訪ぬ・蘇軾 一一七
  • 206 葉落ちて 山逾々(いよいよ)静かに 風涼しくして 琴益々(ますます)微なり 山斎・中臣大島 一一七
  • 207 天籟相和す 幽洞の谷 余音過ぎ尽くす 白雲の峯 山寺の鐘・仲雄王 一一八
  • 208 花は水中の影に似たり 鳥は篭裏に啼(な)くがごとし 烟雨の村・松平君山 一一八
  • 209 雲深くして 山滅せんと欲し 天濶くして 鳥頻りに飛ぶ 函山雑咏(一)・夏目漱石 一一九
  • 210 幽樹 青靄に没し 閑花 碧苔に落つ 函山雑咏(五)・夏目漱石 一一九
  • 211 巌頭 昼静かにして桂花落ち 檻外 月明らかにして〓鳥啼く 無題・夏目漱石 一二〇
  • 212 斜陽径に満ちて僧を照らすこと遠く 黄葉の一村 寺を蔵して深し 無題・夏目漱石 一二一
  • 寂寞 一二二
  • 213 朔風は飛雨を吹き 蕭条として江上より来たる 朝雨を観る・謝〓 一二二
  • 214 秋天 曠野 行人絶ゆ 馬首 西来 知る是れ誰ぞ 旅望・李〓(りき) 一二二
  • 215 斜陽 墟落を照らし 窮巷に牛羊帰る 渭川の田家・王維 一二三
  • 216 荒城虚しく照らす 碧山の月 古木尽く入る 蒼梧の雲 梁園吟・李白 一二三
  • 217 黄鶴一たび去って復た返らず 白雲千載空しく悠悠 黄鶴楼・崔〓(さいこう) 一二四
  • 218 日暮れて 蒼山遠く 天寒くして 白屋貧なり 雪に逢いて芙蓉山主人に宿る・劉長卿 一二五
  • 219 石泉 暗壁に流れ 草露 秋根に滴る 日暮・杜甫 一二五
  • 220 葉を抱ける寒蝉は静かに 山に帰る独鳥は遅し 秦州雑詩二十首(其の四)・杜甫 一二六
  • 221 無辺の落木は蕭蕭として下り 不尽の長江は滾滾(こんこん)として来たる 登高・杜甫 一二七
  • 222 五更の鼓角 声悲壮 三峡の星河 影動揺 閣夜・杜甫 一二七
  • 223 野寺山辺 斜めに径(こみち)有り 漁家 竹裏 半ば門を開く 朱中舎の江東に遊ぶを送る・李嘉祐 一二八
  • 224 古道 人の行くこと少に 秋風 禾黍を動かす 秋日・耿〓(こうい) 一二八
  • 225 山は故国を囲んで周遭として在り 潮は空城を打って寂寞として回(めぐ)る 石頭城・劉禹錫 一二九
  • 226 春風桃李 花開くの夜 秋雨梧桐 葉落つるの時 長恨歌・白居易 一二九
  • 227 東船西舫(せいぼう) 悄として言無く 惟だ見る 江心に 秋月の白きを 琵琶行・白居易 一三〇
  • 228 春を留むるに 春住まらず 春帰って 人寂寛 落花・白居易 一三〇
  • 229 暮雲 千里の色 処として心を傷ましめざるは無し 慈恩の塔に題す・荊叔 一三〇
  • 230 荒涼たり 廃圃の秋 寂歴たり 幽花の晩(くれ) 新城の陳氏の園晁補之が韻に次す・蘇軾 一三一
  • 231 孤村 一犬吠え 残月 幾人か行く 〓夜・蘇軾 一三一
  • 232 声は寒し絡緯 風吹くの処 葉は落つ梧桐 雨打つの時 九日後朝同じく秋思を賦し制に応ず・菅原道真 一三二
  • 233 数行の暗涙は孤雲の外 一点の愁眉は落月の辺(ほとり) 王昭君・源英明 一三二
  • 234 雨 渓梅に洒(そそ)げば千点の涙 烟 堤柳を篭むれば一堆の愁い 春事・鉄庵道生 一三三
  • 235 古関 秋の至ること早く 廃道 馬の行くこと遅し 函山雑咏(四)・夏目漱石 一三三
  • 236 駅馬 鈴声遠く 行人 笑語稀なり 函山雑咏(一)・夏目漱石 一三四
  • 広漠 一三四
  • 237 四顧すれば何ぞ茫茫たる 東風 百草を揺がす 古詩十九首(其の十一)・無名氏 一三四
  • 238 四望すれども煙火無く 但だ林と丘とを見るのみ 従軍詩五首(其の五)・王粲 一三五
  • 239 雲は去る 蒼梧の野 水は還る 江漢の流れ 新亭の渚に范零陵に別るる詩・謝〓 一三五
  • 240 長城 地勢嶮にして 万里 雲と平らかなり 霍将軍(かくしようぐん)の北伐を詠ずる詩・虞羲 一三六
  • 241 勅勒(ちよくろく)の川 陰山の下 天は穹廬(きゆうろ)に似て 四野を篭蓋(ろうがい)す 勅勒の歌・斛律金(こくりつきん) 一三六
  • 242 天は蒼蒼 野は茫茫 風吹き草低(た)れて牛羊見(あら)わる 勅勒の歌・斛律金 一三七
  • 243 路は山裏の樹よりも高く 雲は馬上の人よりも低し 画〓風を詠ずる詩二十四首(其の十九)・〓信 一三七
  • 244 春江の潮水 海に連なって平らかなり 海上の明月 潮と共に生ず 春江花月の夜・張若虚 一三八
  • 245 気は蒸す 雲夢の沢 波は撼(うご)かす 岳陽城 洞庭に臨みて張丞相に上る・孟浩然 一三九
  • 246 白日 山に依りて尽き 黄河 海に入りて流る 鸛雀楼(かんじやくろう)に登る・王之渙 一三九
  • 247 千里の目を窮めんと欲し 更に上る 一層の楼 鸛雀楼に登る・王之渙 一四〇
  • 248 洞庭西に望めば 楚江分かる 水尽きて南天 雲を見ず 族叔刑部侍郎曄及び中書賈舎人至に陪して……(其の一)・李白(よう) 一四〇
  • 249 飛流直下 三千尺 疑うらくは是れ 銀河の九天より落つるかと 廬山の瀑布を望む二首(其の二)・李白 一四一
  • 250 両岸の青山 相対して出ず 孤帆一片 日辺(じつぺん)より来たる 天門山を望む・李白 一四一
  • 251 天晴れて 一雁遠く 海闊く 孤帆遅し 張舎人の江東に之(ゆ)くを送る・李白 一四二
  • 252 山は人面より起こり 雲は馬頭に傍(そ)うて生ず 友人の蜀に入るを送る・李白 一四二
  • 253 山は平野に随って尽き 江は大荒に入りて流る 荊門(けいもん)を渡りて送別す・李白 一四三
  • 254 噫(あ)吁〓(あ) 危いかな 高いかな 蜀道の難きは 青天に上るよりも難し 蜀道難・李白 一四三
  • 255 一夫関に当たれば 万夫も開く莫(な)し 蜀道難・李白 一四五
  • 256 三山半ば落つ 青天の外 二水中分す 白鷺洲 金陵の鳳凰台に登る・李白 一四五
  • 257 呉楚 東南に〓(さ)け 乾坤 日夜浮かぶ 岳陽楼に登る・杜甫 一四五
  • 258 星は平野に随いて闊く 月は大江に湧きて流る 旅夜懐を書す・杜甫 一四六
  • 259 錦江の春色は天地に来たり 玉塁の浮雲は古今に変ず 登楼・杜甫 一四七
  • 260 〓(まど)には含む 西嶺千秋の雪 門には泊す 東呉万里の船 絶句四首(其の三)・杜甫 一四七
  • 261 江間の波浪 天を兼ねて湧き 塞上の風雲 地に接して陰(くも)る 秋興八首(其の一)・杜甫 一四八
  • 262 杳杳として天低(た)れ 鶻(こつ) 没する処 青山一髪 是れ中原 澄邁(ちようまい)駅の通潮閣二首(其の二)・蘇軾 一四八
  • 263 山か 雲か 遠くして知る莫し 煙空しく 雲散じて山は依然たり 王定国が蔵する所の烟江畳嶂(じようしよう)図に書す・蘇軾 一四九
  • 264 斜陽 万里 孤鳥 没し 但だ見る 碧海の青銅を磨けるを 海市・蘇軾 一五〇
  • 265 夕陽一片 寒鴉の外 目は断ゆ 東西四百州 湖州歌(其の六)・汪元量 一五〇
  • 266 江霞 浦を隔てて人煙遠し 湖水 天に連なりて雁点遙かなり 崇福寺に遊ぶ・橘直幹(たちばなのただもと) 一五一
  • 267 蒼波 路遠くして 雲千里 白霧 山深うして鳥一声 石山の作・橘直幹 一五一
  • 268 三十六灘 行々尽きんと欲す 天辺始めて見る 鎮西の山 赤馬関を過ぐ・伊形霊雨 一五二
  • 269 雲か 山か 呉か 越か 水天 髣髴 青一髪 天草洋(あまくさなだ)に泊す・頼山陽 一五二
  • 270 空翠 山遙かに古寺を蔵し 平蕪 路遠く春流を没す 無題・夏目漱石 一五三
  • 清爽 一五四
  • 271 薄帷(はくい)に明月鑑(て)り 清風は我が衿(えり)を吹く 詠懐詩十七首(其の一)阮籍 一五四
  • 272 昏旦に気候変じ 山水は清暉を含む 石壁精舎湖中より還るの作・謝霊運 一五四
  • 273 白雲 幽石を抱き 緑篠 清漣に媚ぶ 始寧の墅(しよ)に過ぎる・謝霊運 一五五
  • 274 終南 陰嶺秀で 積雪 浮雲の端 終南余雪を望む・祖詠 一五五
  • 275 渭城の朝雨 軽塵を〓(うる)おし客舎 青青 柳色新たなり 元二の安西に使いするを送る・王維 一五六
  • 276 白雲水に映じて 空城を揺(うご)かし 白露珠を垂れて 秋月に滴る 金陵城の西楼月下の吟・李白 一五六
  • 277 水は春(うすず)く 雲母の碓 風は掃う 石楠の花 内(つま)の廬山に女道士李騰空を尋ぬるを送る二首(其の一)・李白 一五七
  • 278 竹は憐む 新雨の後 山は愛す 夕陽の時 谷口書斎にて楊補闕に寄す・銭起 一五八
  • 279 曲終わりて 人見えず 江上 数峯青し 湘霊瑟を鼓す・銭起 一五八
  • 280 風 枯木を吹けば晴れの天の雨 月 平沙を照らせば夏の夜の霜 江楼夕望客を招く・白居易 一五九
  • 281 氷消えて水を見れば地よりも多し 雪霽れて山を看れば尽く楼に入る 早春思黯(しあん)の南荘に遊ばんことを憶ひ……・白居易 一六〇
  • 282 青苔の地上に残雨を銷(け)す 緑樹の陰の前に晩涼を逐う 池上に涼を逐う二首(其の一)・白居易 一六〇
  • 283 煙銷(き)え日出でて 人を見ず 欸乃一声(あいだいいつせい) 山水緑なり 漁翁・柳宗元 一六一
  • 284 満庭の暁色 画中の詩 残月 窓を穿ちて 枕上を移る 春暁・高杉東行 一六一
  • 285 透過せる藻色 魚眠穏やかに 落ち尽くせる梅花 鳥語愁う 無題・夏目漱石 一六二
  • 第二編 人生の諸相
  • 一 学問・修養 一六四
  • 立志 一六四
  • 286 少壮 努力せずんば 老大 徒らに傷悲せん 長歌行・無名氏 一六四
  • 287 老驥伏櫪(ろうきふくれき) 志は千里に在り 亀は寿なりと雖も・武帝(曹操) 一六四
  • 288 丈夫四海に志さば 万里も猶お比隣のごとし 白馬王彪に贈る(其の六)・曹植(ち) 一六五
  • 289 時に及んで当に勉励すべし 歳月は人を待たず 雑詩十二首(其の一)・陶潜 一六六
  • 290 古人 寸陰を惜しめり 此を念(おも)えば人をして懼(おそ)れしむ 雑詩十二首(其の五)・陶潜 一六六
  • 291 大雅 久しく作(おこ)らず 吾衰えなば竟(つい)に誰か陳べん 古風五十九首(其の一)・李白 一六七
  • 292 我が志は刪述に在り 輝(ひかり)を垂れて千春を映(てら)さんとす 古風五十九首(其の一)・李白 一六八
  • 293 謂う勿かれ 今日学ばずとも来日有りと 謂う勿かれ 今年学ばずとも来年有りと 学を勧むる文・朱熹 一六八
  • 294 少年書を読んで 富貴を求め 白手もて青竜を能く自ら致さんとす 内に答う・袁宏道 一六九
  • 295 図南の鵬翼 何れの時にか奮わん 久しく待つ 扶揺万里の風 南蛮を征せんと欲して作あり・伊達政宗 一六九
  • 296 蒼顔鉄のごとく 〓銀(しろがね)のごとし 紫石稜稜 電人を射る 自ら肖像に題す・新井白石 一七〇
  • 297 五尺の小身 渾(すべ)て是れ胆 明時 何ぞ用いん麒麟に画かるるを 自ら肖像に題す・新井白石 一七〇
  • 298 丈夫生まれて 四方の志有り 千里剣書 何れの処にか尋ねん 述懐・蒲生(がもう)君平 一七一
  • 299 十有三春秋 逝く者は已に水のごとし 述懐・頼山陽 一七一
  • 300 道(い)うを休めよ 他郷苦辛多しと 同袍(どうほう)友有り 自ら相親しむ 桂林荘雑詠諸生に示す四首(其の一)・広瀬淡窓 一七二
  • 301 柴扉暁に出ずれば 霜 雪のごとし 君は川流を汲め 我は薪を拾わん 桂林荘雑詠諸生に示す四首(其の一)・広瀬淡窓 一七二
  • 302 山に登るは恰も似たり 書生の業 一歩歩高うして 光景開く 山行同志に示す・草場佩川(はいせん) 一七三
  • 303 非常の功を立てずんば 身後 誰か能く賓せん 吉田義卿を送る・佐久間象山 一七三
  • 304 男児 志を立てて郷関を出ず 学 若し成る無くんば復た還らず 将に東遊せんとして壁に題す・釈月性 一七四
  • 305 骨を埋むる何ぞ期せん 墳墓の地 人間到る処 青山有り 将に東遊せんとして壁に題す・釈月性 一七四
  • 306 傍人 若(も)し吾が志を問う有らば 酒国詩郷に此の身を寄すと 楢崎節庵を訪ぬ・高杉東行 一七五
  • 307 大魚 語(ことば)無くして波底に没し 俊鶻 将に飛ばんとして岸頭に立つ 無題・夏目漱石 一七五
  • 読書 一七六
  • 308 帰老せば寧(なん)ぞ五畝の園無けん 読書の本意は元元に在り 読書二首(其の二)・陸游 一七六
  • 309 書冊 秋に読むべく 詩句 秋に捜すべし 秋に感ず・楊万里 一七七
  • 310 読書 万巻を破り 筆を下せば神あるがごとし 韋左丞に贈り奉る二十二韻・杜甫 一七七
  • 311 灯火 稍(ようや)く親しむべく 簡編 巻舒すべし 符書を城南に読む・韓愈 一七八
  • 312 閑かに乱帙(らんちつ)を収めて疑義を思う 一穂の青灯 万古の心 冬夜書を読む・菅茶山 一八〇
  • 313 半簾の斜月 水よりも清く 絡緯声中 夜 書を読む 新涼書を読む・菊池三渓 一八〇
  • 二 人生の慕情 一八一
  • 情愛(肉親) 一八一
  • 314 凱風 南よりし 彼の棘心(きよくしん)を吹く 棘心 夭夭たり 母氏 劬労(くろう)す 凱風・(詩経) 一八一
  • 315 哀哀たる父母 我を生みて劬労す 蓼莪(りくが)・(詩経) 一八一
  • 316 父無くんば何をか怙(たの)まん 母無くんば何をか恃(たの)まん 蓼莪・(詩経) 一八二
  • 317 兄弟 牆(かき)に鬩(せめ)げども 外 其の務(あなど)りを禦(ふせ)ぐ 常棣(じようてい)・(詩経) 一八二
  • 318 〓(まめがら)は釜下に在りて燃え 豆は釜中に在りて泣く 七歩の詩・曹植 一八三
  • 319 本 是れ同根より生じたるに 相煎(に)ること何ぞ太だ急なる 七歩の詩・曹植 一八四
  • 320 老妻は紙に画いて棊局(ききよく)を為(つく)り 稚子は針を敲いて釣鈎を作る 江村・杜甫 一八四
  • 321 慈母 手中の線(いと) 遊子 身上の衣 遊子吟・孟郊 一八五
  • 322 行くに臨んで密密に縫う 意(こころ)に恐る 遅遅として帰らんことを 遊子吟・孟郊 一八五
  • 323 辛勤三十日 母痩せて 雛漸く肥えたり 燕の詩劉叟に示す・白居易 一八五
  • 324 喃喃(なんなん)として言語を教え 一一 毛衣を刷(は)く 燕の詩劉叟に示す・白居易 一八七
  • 325 思え 爾雛たりし日 高飛して母に背ける時を 燕の詩劉叟に示す・白居易 一八七
  • 326 阿満(あまろ)亡じてより来のかた 夜も眠らず 偶々眠れば夢に遇いて 涕漣漣たり 阿満を夢みる・菅原道真 一八七
  • 327 東風 母を迎えて来たり 北風 母を送りて還る 母を送る路上の短歌・頼山陽 一八八
  • 328 五十の児 七十の母有り 此の福 人間 得ること応に難かるべし 母を送る路上の短歌・頼山陽 一八九
  • 329 雪は笠檐(りゆうえん)に灑(そそ)いで 風は袂を〓く 呱呱(ここ)乳を覓(もと)むるは 若為(いかん)の情ぞ 常盤の孤を抱くの図に題す・梁川星巌 一八九
  • 情愛(夫婦) 一九〇
  • 330 死生契闊 子と説(ちか)いを成せり 子の手を執り 子と偕(とも)に老いんと 撃鼓・(詩経) 一九〇
  • 331 今夕は何の夕ぞ 此の良人を見る 綢繆・(詩経)(ちゆうびゆう) 一九一
  • 332 結髪 夫妻と為り 恩愛 両つながら疑わず 詩四首(其の三)・蘇武 一九一
  • 333 藁砧(こうちん) 今 何くにか在る 山上 復た山有り 古絶句四首(其の一)・無名氏 一九二
  • 334 棄捐して復た道うこと勿けん 努力して餐飯を加えん 古詩十九首(其の一)無名氏 一九二
  • 335 膠(こう)を以て漆中に投ぜば 誰か能く此を別離せん 古詩十九首(其の十八)・無名氏 一九三
  • 336 衣は新しきに如かず 人は故きに如かず 古怨歌・竇玄(とうげん)の妻 一九三
  • 337 願わくは双黄鵠と為りて 翼を比(なら)べて清池に戯れん 清河に於いて船を輓(ひ)く士の新婚の妻に別るるを見る一首・文帝 一九四
  • 338 君は清路の塵のごとく 妾は濁水の泥のごとし 七哀・曹植 一九四
  • 339 願わくは西南の風と為りて 長逝して君が懐に入らん 七哀・曹植 一九五
  • 340 在昔 恩恵を蒙る 和楽 瑟琴のごとし 浮萍(ふひよう)篇・曹植 一九五
  • 341 新人 愛すべしと雖も 故人の歓ばしきに若くは無し 浮萍篇・曹植 一九六
  • 342 願わくは双飛鳥と為りて 翼を比べて共に〓翔(こうしよう)せん 詠懐詩十七首(其の四)・阮籍 一九七
  • 343 昔は形と影と為り 今は胡と秦と為る 苦相篇予章行・傅玄(ふげん) 一九七
  • 344 目には清慧の姿を想い 耳には淑媚の音を存す 顧彦先の為に婦(つま)に贈る四首(其の一)・陸雲 一九八
  • 345 弦の断ゆるは猶お続くべし 心の去るは最も留め難し 姫人の為に自ら傷む・王僧孺 一九八
  • 346 此の百年の命を持して 共に寸陰の移るを逐う 飛び来たる双白鵠楽府に擬す四首(其の一)・呉邁遠 一九九
  • 347 見ずや松上の蘿 葉は落つるも根は移らざるを 古意二首(其の一)・武帝 二〇〇
  • 348 屏風は意有りて明月を障(さえぎ)り 灯火は情無くして独眠を照らす 閨怨篇・江総 二〇〇
  • 349 妾が心 正に断絶す 君が懐い 那(なん)ぞ知ることを得ん 子夜春歌・郭振(震) 二〇一
  • 350 閨中の少婦 愁いを知らず 春日 粧いを凝らして翠楼に上る 閨怨・王昌齢 二〇一
  • 351 更に羌笛を吹く 関山月 那(いか)んともする無し 金閨万里の愁い 従軍行三首(其の一)・王昌齢 二〇二
  • 352 秋風吹き尽くさず 総べて是れ玉関の情 子夜呉歌・李白 二〇二
  • 353 何れの日か胡虜を平らげて 良人 遠征を罷(や)めん 子夜呉歌・李白 二〇三
  • 354 十五 始めて眉を展(の)べ 願わくは塵と灰とを同じうせん 長干行・李白 二〇三
  • 355 梭(おさ)を停めて悵然として遠人を憶い 独り空房に宿して涙 雨のごとし 烏夜啼・李白 二〇四
  • 356 今夜 〓州(ふしゆう)の月 閨中 只だ独り看るらん 月夜・杜甫 二〇五
  • 357 香霧 雲鬟(うんかん)湿い 清輝 玉臂(ぎよくひ)寒からん 月夜・杜甫 二〇五
  • 358 夜闌けて更に燭を秉(と)り 相対すれば夢寐(むび)のごとし 美村三首(其の一)・杜甫 二〇六
  • 359 天に在りては 願わくは比翼の鳥と作り 地に在りては 願わくは連理の枝と為らん 長恨歌・白居易 二〇七
  • 360 誠に知る 此の恨み人人に有るを 貧賤の夫妻 百事哀し 悲懐を遣る三首(其の二)・元〓 二〇七
  • 361 何か当に共に西〓の燭を翦(き)りて 卻って巴山夜雨の時を話(かた)るべき 夜雨北に寄す・李商隠 二〇七
  • 情愛(異性) 二〇八
  • 362 一日見ざれば 三月のごとし 子の衿・(詩経) 二〇八
  • 363 窈窕(ようちよう)たる淑女は 琴瑟 之を友とす 関雎(かんしよ)・(詩経) 二〇九
  • 364 騅(すい)の逝かざる 奈何(いかん)すべき 虞や虞や 若(なんじ)を奈何せん 垓下の歌・項籍 二〇九
  • 365 願わくは比翼の鳥と為り 〓を施きて起ちて高翔せん 応氏を送る二首(其の二)・曹植 二一〇
  • 366 願わくは一心の人を得て 白頭まで相離れざらん 古楽府六首(其の五)・無名氏 二一〇
  • 367 我が心は松柏のごとし 君が心 復た何にか似たる 近代呉歌九首(其の四冬歌)・無名氏 二一一
  • 368 同声は好く相応じ 同気は自ら相求む 合歓の詩五首(其の一)・楊方 二一二
  • 369 直きことは朱糸の縄のごとく 清きことは玉壼の冰のごとし 白頭吟・鮑照(ほうしよう) 二一三
  • 370 寧ろ野中の双鳧(そうふ)と作るとも 雲間の別鶴たるを願わず 行路難に擬す十八首(其の三)・鮑照 二一三
  • 371 已に知る 想いの夢を成すを 未だ信ぜず 夢の此(か)くのごとくなるを 人の為に夢を述ぶ・王僧孺 二一四
  • 372 国を傾け城を傾く 漢の武帝 雲と為り雨と為る 楚の襄王 公子行・劉希夷 二一四
  • 373 紅豆 南国に生ず 春来たれば 幾枝を発す 想思・王維 二一六
  • 374 蜀江は水碧にして 蜀山は青く 聖主 朝朝暮暮の情 長恨歌・白居易 二一六
  • 375 天は長く地は久しきも 時有りて尽く 此の恨みは 綿綿として絶ゆる期無からん 長恨歌・白居易 二一六
  • 376 同(とも)に来たって月を翫(もてあそ)びし人 何れの処ぞ 風景依稀として去年に似たり 江楼にて感を書す・趙〓(ちょうか) 二一七
  • 377 春心 花と共に発くを争うこと莫かれ 一寸の相思 一寸の灰 無題二首(其の二)・李商隠 二一七
  • 378 君と与(とも)に便ち是れ鴛鴦の侶(とも) 人間に向かって往還を覓むるを休めよ 偶遊・温庭〓 二一八
  • 情愛(朋友) 二一九
  • 379 四海皆兄弟たり 誰をか行路の人と為さん 詩四首(其の一)・蘇武 二一九
  • 380 良(まこと)に盤石の固きこと無くんば 虚名 復た何の益かあらん 古詩十九首(其の七)・無名氏 二一九
  • 381 利剣 掌に在らずんば 友を結ぶ 何ぞ多きを須いん 野田黄雀行・曹植 二二〇
  • 382 日暮 親友を思う 晤言(ごげん)して用(もつ)て自ら写(のぞ)かん 詠懐詩十七首(其の十五)・阮籍 二二〇
  • 383 我が良朋を思い 渇くがごとく飢うるがごとし 秀才の軍に入るに贈る五首(其の三)・〓康(けいこう) 二二一
  • 384 言は忘るるを以て得 交わりは澹(あわ)きを以て成る 温〓(おんきよう)に贈る・郭璞 二二一
  • 385 海内(かいだい) 知己 存す 天涯 比鄰のごとし 杜少府任に蜀州に之くを送る・王勃 二二二
  • 386 洛陽の親友 如し相問わば 一片の冰心 玉壷に在り 芙蓉楼にて辛漸を送る・王昌齢 二二三
  • 387 桃花潭水 深さ千尺 及ばず 汪倫 我を送る情に 汪倫に贈る・李白 二二三
  • 388 正に是れ 江南の好風景 落花の時節 又君に逢う 江南にて李亀年に逢う・杜甫 二二四
  • 389 手を翻せば雲と作り 手を覆せば雨となる 紛紛たる軽薄 何ぞ数うるを須いん 貧交行・杜甫 二二四
  • 390 君見ずや 管鮑の交わりを 此の道 今人棄つること土のごとし 貧交行・杜甫 二二五
  • 391 琴詩酒の友 皆我を抛(なげう)ち 雪月花の時 最も君を憶う 殷協律に寄す・白居易 二二五
  • 392 三五夜中 新月の色 二千里外 故人の心 八月十五日夜・白居易 二二六
  • 393 残灯 焔無くして 影幢幢(とうとう)たり 此の夕 君が九江に謫せられしを聞く 白楽天の江州司馬に左降せられしを聞く・元〓 二二六
  • 394 垂死の病中 驚きて坐起すれば 暗風 雨を吹きて 寒窓に入る 白楽天の江州司馬に左降せられしを聞く・元〓 二二七
  • 395 閑夜君を思いて 坐して明に到る 往事を追尋すれば 倍々情を傷ましむ 楽天に寄す・元〓 二二七
  • 望郷 二二八
  • 396 居常 土を思いて心内に傷む 願わくは黄鵠と為りて故郷に還らん 悲愁の歌・烏孫公主 二二八
  • 397 家を離れて 日に遠きに趨き 衣帯 日に緩きに趨く 古歌・無名氏 二二九
  • 398 胡馬は北風に依り 越鳥は南枝に巣くう 古詩十九首(其の一)・無名氏 二二九
  • 399 悲歌 以て泣くに当つべく 遠望 以て帰るに当つべし 悲歌・無名氏 二三〇
  • 400 信(まこと)に美なれども吾が土に非ず 〓(た)だ懐帰の志を攪すのみ 懐県に在りて作る二首(其の二)・潘岳 二三一
  • 401 故郷一に何ぞ曠(とお)き 山川は阻しく且つ難し 江を渉りて芙蓉を采るに擬す・陸機 二三一
  • 402 羈鳥 旧林を恋い 池魚 故淵を思う 田園の居に帰る五首(其の一)・陶潜 二三二
  • 403 一息すら相知らず 何ぞ況んや異郷の別れをや 東門行・鮑照 二三三
  • 404 故郷 籬下の菊 今日 幾花か開く 長安より揚州に帰還するとき……・江総 二三三
  • 405 九月九日 望郷台 他席他郷 客を送る杯 蜀中九日・王勃 二三三
  • 406 故郷 杳として際(はて)無し 日暮 且(しばら)く孤征す 晩に楽郷県に次る・陳子昂(ちんすごう) 二三四
  • 407 国を去って 三巴遠し 楼に登れば 万里春なり 南楼の望・盧〓(ろせん) 二三五
  • 408 君 故郷より来たる 応に故郷の事を知るべし 雑詩三首(其の二)・王維 二三五
  • 409 独り異郷に在りて異客と為る 佳節に逢う毎に倍々親を思う 九月九日、山東の兄弟を憶う・王維 二三五
  • 410 遙かに知る 兄弟高きに登る処 遍く茱萸(しゆゆ)を挿して一人を少(か)くを 九月九日、山東の兄弟を憶う・王維 二三六
  • 411 頭を挙げて 山月を望み 頭を低れて 故郷を思う 静夜思・李白 二三六
  • 412 一叫一廻腸一断 三春三月 三巴を憶う 宣城にて杜鵑(とけん)の花を見る・李白 二三七
  • 413 此の夜 曲中 折柳を聞く 何人か故園の情を起こさざらん 春夜洛城に笛を聞く・李白 二三七
  • 414 白雁 上林に飛び 空しく伝う 一書札 蘇武・李白 二三八
  • 415 南風 帰心を吹き 飛びて堕つ 酒楼の前 東魯の二稚子に寄す・李白 二三九
  • 416 故郷 今夜 千里を思う 霜鬢 明朝 又一年 除夜の作・高適 二三九
  • 417 日暮 郷関 何れの処か是れなる 烟波 江上 人をして愁えしむ 黄鶴楼・崔〓 二四〇
  • 418 郷国 雲霄の外 誰か羈旅の情に堪えんや 舟を〓〓(くい)に泊す・常建 二四一
  • 419 郷心 新歳切なり 天畔 独り潸然(さんぜん) 新年の作・劉長卿 二四一
  • 420 今春 看々(みすみす)又過ぐ 何れの日か是れ帰年ならん 絶句二首(其の二)・杜甫 二四二
  • 421 一たび故国を辞して十たび秋を経たり 秋瓜を見る毎に故丘を憶う 悶を解く十二首(其の三)・杜甫 二四二
  • 422 叢菊両たび開く 他日の涙 狐舟一(ひとえ)に繋(つな)ぐ 故園の心 秋興八首(其の一)・杜甫 二四二
  • 423 家を思い月に歩んで清宵に立ち 弟を憶い雲を看て白日に眠る 別れを恨む・杜甫 二四三
  • 424 玉関 西望すれば 腸(はらわた) 断つに堪えたり 況んや 復た明朝 是れ歳除なるをや 玉関にて長安の李主簿に寄す・岑参 二四三
  • 425 故園 東に望めば 路 漫漫 双袖 竜鍾 涙 乾かず 京(けい)に入る使に逢う・岑参 二四四
  • 426 馬上に相逢うて 紙筆無し 君に憑(よ)りて伝語して平安を報ぜん 京に入る使に逢う・岑参 二四四
  • 427 孤灯 客夢を然やし 寒杵(かんしよ) 郷愁を搗(つ)く 関西の客舎に宿り、厳許二山人に寄す……・岑参 二四五
  • 428 即今 河畔 氷開くの日 正に是れ長安 花落つるの時 辺詩・張敬忠 二四五
  • 429 盧橘花開いて 楓葉衰う 門を出でて 何れの処にか京師を望まん 湘南即事・戴叔倫(たいしゆくりん) 二四六
  • 430 〓湘(げんしよう) 日夜 東に流れ去る 愁人の為に住(とど)まること少時(しばらく)もせず 湘南即事・戴叔倫 二四六
  • 431 一年 将に尽きんとするの夜 万里 未だ帰らざるの人 除夜石頭の駅に宿る・戴叔倫 二四六
  • 432 故園激として何れの処ぞ 帰思方に悠なるかな 雁を聞く・韋応物 二四七
  • 433 家は夢中に在って 何れの日にか到らん 春は江上に来たって 幾人か還る 長安春望・盧綸(ろりん) 二四八
  • 434 知らず 何れの処にか蘆管を吹くを 一夜 征人 尽く郷を望む 夜受降城に上りて笛を聞く・李益 二四八
  • 435 洛陽城裏 秋風を見る 家書を作らんと欲すれば 意万重 秋思・張籍 二四九
  • 436 共に明月を看て応に涙を垂るべし 一夜郷心 五処同じ 河南乱を経、……・白居易 二四九
  • 437 〓州に客舎すること 已に十霜 帰心 日夜 咸陽を憶う 桑乾を度る・賈島 二五〇
  • 438 端無くも更に渡る 桑乾の水 卻って〓州を望めば 是れ故郷 桑乾を度る・賈島 二五〇
  • 439 春来 故国 帰るに期(とき)無し 人は秋を悲しと言うも 春は更に悲し 法恵寺の横翠閣・蘇軾 二五一
  • 440 西南 三月 音書絶え 落日 孤雲 望眼穿たる 壬辰十二月、車駕東狩せる後の即事五首(其の三)・元好問 二五一
  • 441 江南 江北 秋将に尽きんとし 客子 如今 猶お未だ帰らず 沙雁・楊載 二五二
  • 442 行行 別語無し 只だ道う 早く郷に還れと 京師にて家書を得たり・袁凱 二五二
  • 443 枕を欹てて帰去の日を思い量るに 我は何れの歳とか知らむ 汝は明春 旅雁を聞く・菅原道真 二五三
  • 444 胡角一声 霜後の夢 漢宮万里 月前の腸 王昭君・大江朝綱 二五三
  • 445 郷関 此を去りて三千里 昨夢 高堂老親に謁す 親を夢む・細井平洲 二五四
  • 446 千行 落ち易し 他郷の涙 尺素 裁ち難し 異客の愁い 筑紫の舟中に雪に遇い故園の諸友に寄す・細井平洲 二五四
  • 447 蘇水遙遙として海に入って流る 櫓声雁語郷愁を帯ぶ 舟大垣を発し桑名に赴く・頼山陽 二五五
  • 448 遙かに思う 白髪 門に倚(よ)るの情 留学三年 業未だ成らず 桂林荘雑詠諸生に示す四首(其の二)・広瀬淡窓 二五五
  • 449 酒薄くして客恨をして消せしめ難し 故園首を回らせば路迢迢(ちようちよう) 秋月客中の作・村上仏山 二五六
  • 三 人生の快適 二五七
  • 飲酒 二五七
  • 450 楽しみを為すは当に時に及ぶべし 何ぞ能く来〓(らいじ)を待たん 古詩十九首(其の十五)・無名氏 二五七
  • 451 何を以て憂いを解かん 唯だ杜康有るのみ 短歌行・武帝 二五七
  • 452 酒は能く百慮を〓(はら)い 菊は解(よ)く頽齢を制す 九日閑居・陶潜 二五七
  • 453 酒に対しては誠に楽しむべし 此の酒 復た能く醇なり 酒に対す・張率 二五八
  • 454 眼前 一杯の酒 誰か身後の名を論ぜん 詠懐に擬す二十七首(其の十一)・〓信 二五九
  • 455 秋〓 霜を含んで白く 衰顔 酒に倚りて紅なり 宋常侍に別る・尹式(いんしよく) 二六〇
  • 456 新豊の美酒 斗十千 咸陽の遊侠 少年多し 少年行四首(其の一)・王維 二六〇
  • 457 相逢うて意気 君が為に飲む 馬を繋ぐ 高楼垂柳の辺 少年行四首(其の一)・王維 二六一
  • 458 蘭陵の美酒 鬱金香(うつこんこう) 玉碗盛り来たる 琥珀(こはく)の光 客中行・李白 二六一
  • 459 三百六十日 日日 酔うて泥のごとし 内(つま)に贈る・李白 二六一
  • 460 両人対酌すれば 山花開く 一盃一盃 復た一盃 山中対酌・李白 二六二
  • 461 花間 一壼の酒 独酌 相親しむ無し 月下独酌・李白 二六三
  • 462 杯を挙げて 明月を邀(むか)え 影に対して 三人と成る 月下独酌・李白 二六三
  • 463 我歌えば 月徘徊し 我舞えば 影零乱す 月下独酌・李白 二六三
  • 464 三万六千日 夜夜 当に燭を秉るべし
  • 古風五十九首(其の二十三)・李白 二六四
  • 465 滌蕩(てきとう)す 千古の愁い 留連す 百壼の飲 友人と会宿す・李白 二六四
  • 466 人生意を得ば 須らく歓びを尽くすべし 金樽をして空しく月に対せしむる莫かれ 将進酒・李白 二六五
  • 467 五花の馬 千金の裘(かわごろも) 児を呼び将ち出して 美酒に換えしめ 爾(なんじ)と同に銷さん 万古の愁い 将進酒・李白 二六五
  • 468 百年三万六千日 一日須らく三百杯を傾くべし 襄陽の歌・李白 二六六
  • 469 清風朗月 一銭の買うを用いず 玉山自ら倒る 人の推(お)すに非ず 襄陽の歌・李白 二六七
  • 470 遙かに看る 漢水 鴨頭の緑 恰も似たり 葡萄の初めて醗〓(はつばい)するに 襄陽の歌・李白 二六八
  • 471 酒後 君を留めて明月を待ち 還た明月 将て 君が回るを送らん 余杭の酔歌呉山人に贈る・丁仙芝 二六八
  • 472 思う莫かれ 身外無窮の事 且つ尽くせ 生前有限の杯 絶句漫興九首(其の三)・杜甫 二六九
  • 473 心を寛(ゆる)うするは 応に是れ酒なるべく 興を遣(や)るは 詩に過ぐるは莫し 惜しむべし・杜甫 二六九
  • 474 知章が馬に騎るは 船に乗るに似たり 眼花井に落ちて水底に眠る 飲中八仙歌・杜甫 二六九
  • 475 飲むこと長鯨の百川(ひやくせん)を吸うがごとし 杯を銜(ふく)んで聖を楽しみ賢を避くと称す 飲中八仙歌・杜甫 二七一
  • 476 李白 一斗 詩百篇 長安市上 酒家に眠る 飲中八仙歌・杜甫 二七一
  • 477 晩来 天 雪ふらんと欲す 能く一杯を飲むや無(いな)や 劉十九に問う・白居易 二七一
  • 478 一盞(いつさん)の寒灯 雲外の夜 数杯の温酎(おんちゆう) 雪中の春 李中丞が李給事と山居し、……・白居易 二七二
  • 479 花の下に帰らんことを忘るるは美景に因ってなり 樽の前に酒を勧むるは是れ春の風 哥舒大(かじよだい)が贈られしに酬ゆ・白居易 二七二
  • 480 林間に酒を煖めて 紅葉を焼(た)き 石上に詩を題して 緑苔を掃う 王十八の山に帰るを送り仙遊寺に寄題す・白居易 二七三
  • 481 半醒 半酔 遊ぶこと三日 紅白 花開く 山雨の中 昔遊を念ふ三首(其の三)・杜牧 二七四
  • 482 君に勧む 金屈巵(きんくつし) 満酌 辞するを須いず 酒を勧む・于武陵 二七四
  • 483 今朝酒有らば 今朝酔わん 明日愁い来たらば 明日愁えん 自ら遣る・羅隠 二七五
  • 484 悪酒は悪人のごとし 相攻むること刀箭より劇(はげ)し 金山寺にて柳子玉と飲みで大酔し……・蘇軾 二七五
  • 485 三杯の卯酒(ぼうしゆ) 人 径(ただ)ちに酔い 一枕の春睡 日亭午なり 上巳の日、二三子と酒を攜えて出游し……・蘇軾 二七六
  • 486 吾が貧は蓋し命有り 此の酒は無かるべからず 後の飲酒五首(其の一)・元好問 二七六
  • 487 人更に少(わか)きこと無し 時須らく惜しむべし 年常に春ならず 酒を空しうすること莫かれ 暮春・小野篁(おののたかむら) 二七七
  • 488 千悶消亡す 千日の酔い 百愁安慰す 百花の春 秋天の月・菅原道真 二七八
  • 489 閑却す 花紅柳緑の春 江楼 何の暇ありてか 芳醇に酔う 無題・夏目漱石 二七八
  • 遊覧 二七九
  • 490 清暉は能く人を娯(たの)しましめ 遊子は憺として帰るを忘る 右壁精舎湖中より還るの作・謝霊運 二七九
  • 491 偶然 林叟(りんそう)に値(あ)い 談笑 還期無し 終南別業・王維 二七九
  • 492 水を掬(きく)すれば 月は手に在り 花を弄すれば 香は衣に満つ 春山の夜月・于良史 二八〇
  • 493 借問す 酒家は何れの処にか有る 牧童遙かに指(ゆび)さす 杏花の村 清明・杜牧 二八〇
  • 494 山重 水複 路無きかと疑う 柳暗 花明 又 一村 山西の村に遊ぶ・陸游 二八一
  • 495 水を渡り 復た水を渡り 花を看 還(ま)た花を看る 胡隠君を尋ぬ・高啓 二八二
  • 496 春風 江上の路 覚えず 君が家に到る 胡隠君を尋ぬ・高啓 二八二
  • 497 滄波両岸 秋風起こり 吹き送る叡山 雲裏の鐘 秋夕琵琶湖に泛ぶ・梁田蛻巌(やなだぜいがん) 二八二
  • 498 碧天に向かって玉笛を吹かんと欲すれば 浮雲一片 扁舟に落つ 月夜三叉口(さんさこう)に舟を汎ぶ・高野蘭亭 二八三
  • 499 歩は奇を尋ぬるが為に健に 帰は句を覓むるに因りて忘る 護岸寺に遊ぶ・広瀬淡窓 二八三
  • 慶祝 二八四
  • 500 関関たる雎鳩(しよきゆう)は 河の洲に在り 窈窕たる淑女は 君子の好逑(こうきゆう) 関雎・(詩経) 二八四
  • 501 桃の夭夭(ようよう)たる 灼灼(しやくしやく)たり其の華 之(こ)の子 于(ここ)に帰ぐ 其の室家に宜(よろ)しからん 桃夭・(詩経) 二八五
  • 502 人心 新歳月 春意 旧乾坤 新春・真山民 二八五
  • 503 長生殿の裏には春秋富めり 不老門の前には日月遅し 天子万年・慶滋保胤 二八六
  • 504 一曲の高砂 琴瑟和し 鶴は歌い亀は舞う 万年の春 結婚を祝す・塩谷温 二八六
  • 四 人生の哀愁 二八八
  • 無常 二八八
  • 505 歓楽極まりて 哀情多し 少壮幾時ぞ 老いを奈何せん 秋風の辞・武帝(劉徹) 二八八
  • 506 薤上(かいじよう)の露 何ぞ晞(かわ)き易き 薤露の歌・無名氏 二八八
  • 507 人は生まる 天地の間 忽として遠行の客のごとし 古詩十九首(其の三)・無名氏 二八九
  • 508 遇う所 故物無し 焉くんぞ速やかに老いざるを得んや 古詩十九首(其の十一)・無名氏 二八九
  • 509 四時 更々(ごも)変化し 歳の暮るるは一に何ぞ速やかなる 古詩十九首(其の十二)・無名氏 二八九
  • 510 去る者は日に以て疎く 来たる者は日に以て親し 古詩十九首(其の十四)・無名氏 二九〇
  • 511 古墓は犂かれて田と為り 松柏は摧(くだ)かれて薪と為る 古詩十九首(其の十四)・無名氏 二九一
  • 512 酒に対しては当に歌うべし 人生 幾何ぞ 譬(たと)えば朝露のごとし 去日 苦(はなは)だ多し 短歌行・武帝 二九一
  • 513 人 一世の間に居ること 忽として風吹の塵のごとし 薤露行・曹植 二九二
  • 514 人寿は幾何ぞ 逝くこと朝霜のごとし 短歌行・陸機 二九三
  • 515 寸陰は〓を停むる無く 尺波(せきは)は豈に徒らに旋(かえ)らんや 長歌行・陸機 二九四
  • 516 世に寄ること将た幾何ぞ 日は昃(かたむ)きて陰を停むる無し 予章行・陸機 二九四
  • 517 晦朔は環(たまき)を循(めぐ)るがごとく 月盈(み)つれば已に復た魄(くら)し 遊仙詩七首(其の七)・郭璞 二九五
  • 518 人生は幻化に似たり 終に当に空無に帰すべし 田園の居に帰る五首(其の四)・陶潜 二九六
  • 519 人生 根蔕無く 飄として陌上(はくじよう)の塵のごとし 雑詩十二首(其の一)・陶潜 二九六
  • 520 盛年 重ねて来たらず 一日 再び晨なり難し 雑詩十二首(其の一)・陶潜 二九七
  • 521 丘壟(きゆうろう)は郛郭(ふかく)を〓め(うず) 銘志は滅して文無し 還りて梁城に至る作・顔延之 二九七
  • 522 寤(さ)むるに及んで尽く空無なり 方に知る 悉く虚詭(きよき)なるを 人の為に夢を述ぶ・王僧孺 二九八
  • 523 寂寂たり 空郊の暮れ 復た少年の時に非ず 顔園の故閣に登る・湘東王繹(しようとうおうえき) 二九九
  • 524 君見ずや 人生百年 流電のごとし 行路難二首(其の二)・費昶 二九九
  • 525 今年花落ちて 顔色改まり 明年花開きて 復た誰か在る 白頭を悲しむ翁に代わりて・劉希夷 三〇〇
  • 526 已に見る 松柏の摧かれて薪と為るを 更に聞く 桑田の変じて海と成るを 白頭を悲しむ翁に代わりて・劉希夷 三〇一
  • 527 年年歳歳 花相似たり 歳歳年年 人同じからず 白頭を悲しむ翁に代わりて・劉希夷 三〇一
  • 528 此の翁 白頭 真に憐むべし 伊(こ)れ昔 紅顔の美少年 白頭を悲しむ翁に代わりて・劉希夷 三〇二
  • 529 宛転たる蛾眉 能く幾時ぞ 須臾にして鶴髪 乱れて糸のごとし 白頭を悲しむ翁に代わりて・劉希夷 三〇二
  • 530 百年同に謝す 西山の日 千秋万古 北〓(ほくぼう)の塵 公子行・劉希夷 三〇二
  • 531 城中日夕 歌鐘起こるも 山上唯だ聞く 松柏の声 〓山・沈〓期 三〇三
  • 532 江畔 何れの人か初めて月を見し 江月 何れの年か初めて人を照らせる 春江花月の夜・張若虚 三〇三
  • 533 誰か知らん 明鏡の裏 形影 自ら相憐まんとは 鏡に照らして白髪を見る・張九齢 三〇三
  • 534 眼に看る 春色 流水のごときを 今日の残花 昨日開く 同前に和し奉る・崔恵童 三〇四
  • 535 一年 始めて一年の春有り 百歳 曾て百歳の人無し 城東荘に宴す・崔敏童 三〇四
  • 536 人事 代謝有り 往来 古今を成す 諸子と〓山(けんざん)に登る・孟浩然 三〇五
  • 537 人生 能く幾何ぞ 畢竟 無形に帰す 殷遙を哭す・王維 三〇六
  • 538 今人は見ず 古時の月 今月は曾経(かつ)て 古人を照らせり 酒を把りて月に問ふ・李白 三〇六
  • 539 人生は寒松に非ず 年貌 豈に長(とこしな)えに在らんや 古風五十九首(其の十一)・李白 三〇七
  • 540 君見ずや 黄河の水 天上より来たるを 奔流海に到って 復た回らず 将進酒・李白 三〇八
  • 541 君見ずや高堂の明鏡白髪を悲しむを 朝には青糸のごときも 暮れには雪と成る 将進酒・李白 三〇九
  • 542 青軒の桃李 能く幾何ぞ 流光人を欺いて 忽ち蹉〓(さた)たり 前有樽酒行(其の一)・李白 三〇九
  • 543 今年の人日 空しく相憶う 明年の人日 何れの処なるかを知らん 人日杜二拾遺に寄す・高適 三一〇
  • 544 人生情有り 涙臆(むね)を沾(うるお)す 江水江花 豈に終に極まらんや 哀江頭・杜甫 三一一
  • 545 庭樹は知らず 人 去り尽くすを 春来 還た発く 旧時の花 山房春事・岑参 三一一
  • 546 蝸牛角上 何事をか争う 石火光中に此の身を寄す 酒に対す・白居易 三一一
  • 547 此の生 都(す)べて是れ夢 前事は 旋ち空と成る 商山の路にて感有り・白居易 三一二
  • 548 落花語(ものい)わず 空しく樹を辞し 流水情無くして 自ら池に入る 元家の履信の宅に過ぎる・白居易 三一三
  • 549 松樹千年終に是れ朽つ 槿花一日 自ら栄を為す 放言五首(其の五)・白居易 三一三
  • 550 蘭省の花の時 錦帳の下 廬山の夜の雨 草庵の中 廬山草堂の夜雨に独り宿し……・白居易 三一四
  • 551 人生 行客に似たり 両足 歩を停むること無し 春を送る・白居易 三一五
  • 552 往事渺茫として都べて夢に似たり 旧遊零落して半ば泉に帰す 十年三月三十日微之に〓上(ほうじよう)に別れ 白居易 三一五
  • 553 朝朝 花は遷り落ち 歳歳 人は移り改まる ・寒山 三一六
  • 554 何を以てか長く 惆悵(ちゆうちよう)する 人生は朝菌に似たればなり 寒山 三一七
  • 555 少年 安くんぞ得ん 長えに少年たるを 海波 尚お変じて桑田と為る 年少を刺る・李賀 三一七
  • 556 高歌一曲 明鏡を掩う 昨日の少年 今は白頭 秋思・許渾 三一八
  • 557 昔年 我を顧みるに長く青眼 今日 君に逢えば 尽く白頭 河東の虞押衙に贈る・許渾 三一九
  • 558 砌下(せいか)の梨花 一堆の雪 明年誰か此に闌干に凭(よ)らん 初冬夜飲・杜牧 三一九
  • 559 浮沈 千古の事 誰と与にか東流に問わん 秋日湖上・薛瑩(せつえい) 三二〇
  • 560 三たび門を過ぐる間に 老病死 一たび指を弾ずる頃(けい)に 去 来 今 永楽に過れば文長老已に卒せり・蘇軾 三二〇
  • 561 百川 日夜に逝き 物我 相随って去る 初秋子由に寄す・蘇軾 三二一
  • 562 此の生 忽忽たり 憂患の裏 清境 眼を過ぎて 能く須臾ならんや 舟中夜起く・蘇軾 三二二
  • 563 賢愚 千載 誰か是なるを知らんや 満眼の蓬蒿 共に一丘 清明・黄庭堅 三二三
  • 憂愁 三二三
  • 564 我を知る者は 我を心憂うと謂い 我を知らざる者は 我を何をか求むと謂う 黍離・(詩経) 三二三
  • 565 秋風蕭蕭 人を愁殺す 出ずるも亦た愁え 入るも亦た愁う 古歌・無名氏 三二四
  • 566 心思 言うこと能わず 腸中 車輪転ず 古歌・無名氏 三二四
  • 567 物に感じては我が懐いを傷ましめ 心を撫しては長太息す 白馬王彪に贈る(其の四)・曹植 三二五
  • 568 苦辛して何をか慮思する 天命 信に疑うべし 白馬王彪に贈る(其の七)・曹植 三二五
  • 569 夜中に寐(い)ぬる能わず 起坐して鳴琴を弾ず 詠懐詩十七首(其の一)・阮籍 三二六
  • 570 一身すら自ら保たざるに 何ぞ況んや妻子を恋うるをや 詠懐詩十七首(其の三)・阮籍 三二六
  • 571 独り空堂の上に坐す 誰か与に歓ぶべき者ぞ 詠懐詩十七首(其の十五)・阮籍 三二七
  • 572 志士は日の短きを惜しみ 愁人は夜の長きを知る 雑詩一首・傅玄 三二七
  • 573 哀人は感傷し易く 物に触れて悲心を増す 七哀詩二首(其の二)・張載 三二八
  • 574 万行 朝涙瀉(そそ)ぎ 千里 夜愁積もる 夜愁・王僧孺 三二八
  • 575 児童 相見て相識らず 笑って問う 客は何れの処より来たると 回郷偶書・賀知章 三二九
  • 576 前に古人を見ず 後に来者を見ず 幽州の台に登る歌・陳子昂 三三〇
  • 577 天地の悠悠たるを念い 独り愴然として涕(なみだ)下る 幽州の台に登る歌・陳子昂 三三〇
  • 578 心緒 揺落に逢い 秋声 聞くべからず 汾上(ふんじよう)秋に驚く・蘇〓(そてい) 三三一
  • 579 白髪 三千丈 愁いに縁(よ)りて 箇(か)くのごとく長し 秋浦の歌(其の十五)・李白 三三一
  • 580 刀を抽(ぬ)いて水を断てば 水更に流れ 杯を挙げて愁いを消せば 愁い更に愁う 宣州の謝〓楼にて校書叔雲に餞別す・李白 三三二
  • 581 寂寛 秋草に向かえば 悲風 千里より来たる 宋中・高適 三三三
  • 582 寂寞たる空庭 春晩れんと欲す 梨花 満地門を開かず 春怨・劉方平 三三三
  • 583 片雲に天と共に遠く 永夜に月と同じく孤なり 江漢・杜甫 三三四
  • 584 花の飛ぶこと 底の急なることか有る 老い去りて 春の遅きを願う 惜しむべし・杜甫 三三四
  • 585 一片花飛んで春を減却す 風は万点を飄して 正に人を愁えしむ 曲江二首(其の一)・杜甫 三三五
  • 586 人生七十古来稀なり 曲江二首(其の二)・杜甫 三三六
  • 587 明年 此の会 誰か健なるを知らん 酔うて茱萸を把って仔細に看る 九日藍田の崔氏の荘・杜甫 三三七
  • 588 憂い来たりて 草を籍(し)きて坐し 浩歌して 涙把(は)に盈(み)つ 玉華宮・杜甫 三三七
  • 589 此の夜 断腸 人見えず 起ちて行けば 残月 影 徘徊 角を聴いて帰るを思う・顧況 三三八
  • 590 惆悵す 春帰って 留むれども得ず 紫藤(しとう)の花の下に 漸く黄昏 三月三十日、慈恩寺に題す・白居易 三三八
  • 591 行宮(あんぐう)に月を見れば 心を傷ましむる色あり 夜雨に鈴を聞けば 腸断つ声あり 長恨歌・白居易 三三九
  • 592 夕殿 蛍飛んで 思い悄然 孤灯 挑げ尽くして 未だ眠りを成さず 長恨歌・白居易 三三九
  • 593 玉容寂寞として 涙闌干 梨花一枝 春 雨を帯ぶ 長恨歌・白居易 三四〇
  • 594 月尽くるも愁いは尽き難く 年新たにして愁いは更に新たなり 寒山 三四〇
  • 595 天若し情有らば 天も亦た老いん 金銅仙人漢を辞するの歌・李賀 三四一
  • 596 紅顔 人に勝るは薄命多し 春風を怨む莫かれ 当に自ら嗟(なげ)くべし 明妃の曲・欧陽脩 三四一
  • 597 花鳥は総べて知る 春の爛漫たるを 人間には 独り自ら傷心有り 重将・王安石 三四二
  • 598 人生 字を識るは 憂患の始め 姓名 粗ぼ記すれば 以て休むべし 石蒼舒の酔墨堂・蘇軾 三四二
  • 599 清愁は自ら是れ詩中の料(かて) 向(も)し愁い無からしめば 詩を得べけんや 唐人の愁いの詩を読みて戯れに作る・陸游 三四三
  • 600 吾が道は非なるか 曠野に来たる 江濤(こうとう) 此(か)くのごとし 去りて何くにか之(ゆ)く 望江の道中・陸游 三四三
  • 601 江水 江花 只だ自ら春なり 知らず 容易に解(よ)く人を愁えしむるを 王行に寄す・高啓 三四四
  • 602 家を離れて 三四月 涙を落とす 百千行 自詠・菅原道真 三四四
  • 603 万事 皆夢のごとし 時時 彼蒼(ひそう)を仰ぐ 自詠・菅原道真 三四五
  • 604 人は是れ同じき人 梅は異なる樹 知る 花は 独り笑(え)みて我は悲しみの多きことを 梅花・菅原道真 三四五
  • 605 去年の今夜 清涼に侍し 秋思の詩篇 独り断腸 九月十日・菅原道真 三四六
  • 606 秋天に未だ雪あらず 地に蛍無し 灯滅し書を抛(なげう)ち 涙暗(あん)に零(お)つ 灯滅二絶(其の二)・菅原道真 三四六
  • 607 見るに随い聞くに随い 皆惨慄 此の秋は独り 我が身の秋と作る 秋夜・菅原道真 三四七
  • 608 高秋〓の白きを悲しみ 衰病(すいへい) 顔(かんばせ)の紅きを夢む 無題・夏目漱石 三四七
  • 609 悶を排する 何ぞ酒を須いん 閑を遣るは 只だ詩有るのみ 函山雑咏(四)・夏目漱石 三四八
  • 610 愁前 燭を剔(き)れば夜〓〓静かに 詩後 香を焚けば 字も亦た濃し 無題・夏目漱石 三四九
  • 送別 三五〇
  • 611 願わくは双黄鵠と為りて 子を送りて 倶に遠く飛ばん 詩四首(其の二)・蘇武 三五〇
  • 612 手を握りて 一たび長歎すれば 涙は生別の為に滋(しげ)し 詩四首(其の三)・蘇武 三五〇
  • 613 嘉会 再びは遇い難く 歓楽 殊に未だ央(つ)きず 詩四首(其の四)・蘇武 三五一
  • 614 良時 再びは至らず 離別 須臾に在り 蘇武に与う三首(其の一)・李陵 三五一
  • 615 嘉会 再びは遇い難く 三載 千秋と為らん 蘇武に与うる詩三首(其の二)・李陵 三五二
  • 616 浮沈 各々勢いを異にす 会合 何れの時か諧(かな)わん 七哀・曹植 三五二
  • 617 昔去るとき 雪 花のごとし 今来たれば 花 雪に似たり 別れの詩・范雲 三五三
  • 618 江南 有る所無し 聊か一枝の春を贈らん 范曄(はんよう)に贈る詩・陸凱 三五三
  • 619 離燭 窮輝有り 別念 終緒無し 蕭諮議衍(しようしぎえん)に別る・任〓(じんぼう) 三五四
  • 620 悠悠たり 洛陽の道 此の会 何れの年にか在らん 春夜友人に別る・陳子昂 三五四
  • 621 日暮 孤舟 何れの処にか泊する 天涯一望 人の腸を断つ 杜十四の江南に之くを送る・孟浩然 三五五
  • 622 唯だ想思の春色に似たる有り 江南江北 君が帰るを送る 沈子福の江南に之くを送る・王維 三五六
  • 623 君に勧む 更に尽くせ一杯の酒 西のかた陽関を出でなば故人無からん 元二の安西に使いするを送る・王維 三五六
  • 624 但だ去れ 復た問うこと莫けん 白雲 尽くる時無し 送別・王維 三五七
  • 625 孤帆の遠影 碧空に尽き 唯だ見る 長江の天際に流るるを 黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る・李白 三五七
  • 626 此の地 一たび別れを為し 孤蓬 万里に征(ゆ)く 友人を送る・李白 三五八
  • 627 浮雲 遊子の意 落日 故人の情 友人を送る・李白 三五八
  • 628 泣いて李陵の衣を把(と)り 相看て 涙 血を成す 蘇武・李白 三五九
  • 629 人は分かる 千里の外 興は在り 一杯の中 江夏にて宋之悌に別る・李白 三五九
  • 630 古来万事 東流の水 君に別れて去らば 何れの時か還らん 夢に天姥(てんぼ)に遊ぶの吟留別・李白 三六〇
  • 631 即今 江北 還た此くのごとし 愁殺す 江南 離別の情 宇文六を送る・常建 三六〇
  • 632 帯甲 天地に満つるに 胡為(なんす)れぞ 君遠くに行くや 遠きを送る・杜甫 三六一
  • 633 君は今 死地に往く 沈痛 中腸に迫る 新婚の別れ・杜甫 三六一
  • 634 明日 山岳を隔てなば 世事 両(とも)に茫茫たらん 衛八処士に贈る・杜甫 三六二
  • 635 死別は已に声を呑めども 生別は常に惻惻たり 李白を夢む二首(其の一)・杜甫 三六二
  • 636 西のかた郷関を望めば 腸 断えんと欲す 君に対して 衫袖 涙痕 斑(まだら)なり 暮春〓州(かくしゆう)の東亭にて……・岑参 三六三
  • 637 愁うる莫かれ 前路 知己無きを 天下 誰人か君を識らざらん 董大に別る・高適 三六四
  • 638 清夜 沈沈 此に君を送る 陰蛩(いんきよう) 切切 聞くに堪えず 魏十六を送る・皇甫冉(こうほぜん) 三六四
  • 639 南望すれば 千山 〓色のごとし 愁う 君が客路 其の中に在るを 曾山送別・皇甫冉 三六五
  • 640 今日君を送る 須らく酔いを尽くすべし 明朝相憶うも 路は漫漫 李侍郎の常州に赴くを送る・賈至 三六五
  • 641 即今相対して歓を尽くさずんば 別後相思うも 復た何の益かあらん 湖中酒に対して作る・張謂 三六五
  • 642 君去らば春山 誰と共にか遊ばん 鳥啼き花落ちて 水空しく流れん 王永を送る・劉商 三六六
  • 643 水辺の楊柳 〓塵(きくじん)の糸 馬を立め 君を煩わして一枝を折る 折楊柳・楊巨源 三六七
  • 644 惟だ春風の最も相惜しむ有り 殷勤に更に手中に向かって吹く 折楊柳・楊巨源 三六七
  • 645 酔いて歓びを成さず 惨として将に別れんとす 別るる時茫茫として 江 月を浸す 琵琶行・白居易 三六七
  • 646 日暮酒醒めて 人已に遠く 満天の風雨 西楼を下る 謝亭の送別・許渾 三六八
  • 647 多情は却って似たり 総べて無情なるに 贈別二首(其の二)・杜牧 三六八
  • 648 今宵 一別の後 何れの処にか更に相逢わん 夜故人と別る・于武陵 三六九
  • 649 相見る時難く 別るるも亦た難し 東風力無く 百花残(くず)る 無題・李商隠 三六九
  • 650 丈夫 涙無きに非ず 灑(そそ)がず 離別の間 離別・陸亀蒙 三七〇
  • 651 我も亦た且くは常の日のごとく酔わん 絃管をして離声を作さしむること莫かれ 〓に別る・欧陽脩 三七〇
  • 652 〓橋の両岸 千条の柳 送り尽くす 東西 水を渡るの人 〓橋にて内に寄す二首(其の一)・王士〓 三七一
  • 653 前途 程遠し 思いを鴈山の暮の雲に馳(は)す 餞別、鴻〓館(こうろかん)に於いて北客に餞する序・大江朝綱 三七一
  • 654 陌柳(はくりゆう) 衣に映じて征意動き 館灯 〓を照らして客愁分かる 無題・夏目漱石 三七二
  • 別離 三七三
  • 655 相去ること日に已に遠く 衣帯 日に已に緩し 古詩十九首(其の一)・無名氏 三七三
  • 656 浮雲 白日を蔽い 遊子 顧返せず 古詩十九首(其の一)・無名氏 三七三
  • 657 楽しみは新相知より楽しきは莫く 悲しみは生別離より悲しきは莫し 琴歌・無名氏 三七四
  • 658 別日何ぞ易く会日難き 山川悠遠 路漫漫 楽府燕歌行二首(其の二)・文帝 三七四
  • 659 昔は同池の魚たり 今は商と参とのごとし 種葛篇・曹植 三七五
  • 660 楽しみは会を以て興り 悲しみは別を以て章(あら)わる 短歌行・陸機 三七五
  • 661 蟋蟀(しつしゆつ) 堂に在り 露階に盈つ 君が遠遊を念いて常に苦悲す 楽府燕歌行一首・陸機 三七六
  • 662 別時 悲しみ已に甚だしく 別後 情更に延く 従弟の恵連に酬ゆ・謝霊運 三七六
  • 663 離人の悲しみを識らんと欲せば 孤台に明月を見よ 別れの詩・張融 三七七
  • 664 別離 未だ幾日ならざるに 高月 三たび弦を成す 柳〓(りゆううん)と相贈答す(其の六)・呉均 三七七
  • 665 別離 方に異域 音信 若為(いかん)ぞ通ぜん 秘書晃監の日本に還るを送る・王維 三七八
  • 666 渭北 春天の樹 江東 日暮の雲 春日李白を憶う・杜甫 三七九
  • 667 人生 相見ざること 動(やや)もすれば参と商とのごとし 衛八処士に贈る・杜甫 三七九
  • 668 胡塵一たび起こりて天下を乱してより 何れの処の春風 別離無からん 洪州の客舎にて柳博士芳に寄す・薛業(せつぎよう) 三八〇
  • 669 去年 花裏 君に逢うて別れ 今日 花開いて 又一年 李〓・元錫に寄す・韋応物 三八一
  • 670 一章 三遍読み 一句 十回吟ず 初め元九と別れて後……・二白居易 三八一
  • 671 花発けば 風雨多し 人生 別離足る 酒を勧む・于武陵 三八三
  • 672 別離は随処に有り 悲悩は愛に縁って結ばる 徐州を罷めて、……五首(其の一)・蘇軾 三八三
  • 673 寒灯に相対せる 疇昔を記す 夜雨 何れの時か 蕭瑟たるを聴かん 辛丑十一月十九日…・蘇軾 三八四
  • 674 平生の一宝剣 留贈す 交わりを結びし人に 命を銜(ふく)んで本国に使いす・阿倍仲麻呂 三八四
  • 675 怨むこと莫かれ 白雲千里の遠きを 男児 何れの処か是れ家に非ざる 美州の掾(ぞう)藤の吉野に餞す・淳和帝 三八五
  • 行旅 三八六
  • 676 羈旅に終極無く 憂思壮(さか)んにして任(た)え難し 七哀詩(其の二)・王粲 三八六
  • 677 飢えては猛虎の窟(あな)に食らい 寒(こご)えては野雀の林に栖む 猛虎行・陸機 三八六
  • 678 遊客は春林を芳しとするも 春芳は客心を傷ましむ 悲哉行・陸機 三八六
  • 679 夕に息(いこ)いては 影を抱いて寐(い)ね 朝に徂(ゆ)きては 思いを銜んで往く 洛に赴く道中の作二首(其の二)・陸機 三八七
  • 680 巴東の三峡 猿鳴き悲しむ 夜鳴いて三声 涙衣を霑(うるお)す 女児子・無名氏 三八七
  • 681 傷禽弦の驚かすを悪み 〓客 離(わか)れの声を悪む 東門行・鮑照 三八八
  • 682 梅を食えば常に酸に苦しみ 葛を衣(き)れば常に 寒に苦しむ 東門行・鮑照 三八九
  • 683 春草 青復た緑 客心 此の時に傷まん 雑詠五首(其の一)・沈約 三八九
  • 684 大江 日夜に流れ 客心 悲しみ未だ央(つ)きず 暫らく下都に使いし、……・謝〓 三九〇
  • 685 朝に辞す 白帝 彩雲の間 千里の江陵 一日にして還る 早に白帝城を発す・李白 三九一
  • 686 両岸の猿声 啼き住まざるに 軽舟已に過ぐ万重の山 早に白帝城を発す・李白 三九一
  • 687 霜は荊門に落ちて 江樹空し 布帆〓無(つつがな)く 秋風に佳く 秋荊門を下る・李白 三九二
  • 688 此の行鱸魚の鱠(かい)の為ならず 自ら名山を愛して〓中(せんちゆう)に入る 秋荊門を下る・李白 三九二
  • 689 旅館の寒灯 独り眠らず 客心 何事ぞ 転た凄然 除夜の作・高適 三九二
  • 690 江流は大(はなは)だ自在なり 坐穏やかにして 興は悠なるかな 船を放つ・杜甫 三九三
  • 691 飄飄として何の似たる所ぞ 天地の一沙鴎 旅夜書懐・杜甫 三九三
  • 692 露下りて天高くして 秋気清し 空山独夜 旅魂驚く 夜・杜甫 三九四
  • 693 年年至日 長(つね)に客と為り 忽忽たる窮愁 人を泥殺せしむ 冬至・杜甫 三九五
  • 694 歳云に暮れぬ 北風多し 瀟湘洞庭 白雪の中 歳晏行・杜甫 三九五
  • 695 月落ち烏啼いて 霜天に満つ 江楓漁火 愁眠に対す 楓橋夜泊・張継 三九六
  • 696 姑蘇城外 寒山寺 夜半の鐘声 客船に到る 楓橋夜泊・張継 三九六
  • 697 蝉声の駅路 秋山の裏 草色の河橋 落照の中 王光輔の青州に帰るを送り、……・韓〓(かんこう) 三九七
  • 698 朝来 庭樹に入り 孤客 最も先に聞く 秋風引・劉禹錫 三九七
  • 699 蕭条たり 桑柘(そうしや)の外 煙火 漸く相親しむ 暮に山村に過る・賈島 三九八
  • 700 万里往来して 征馬 痩せ 十年離別して 故人稀なり 河東の虞押衙に贈る・許渾 三九九
  • 701 漁舟の火の影 寒うして浪を焼き 駅路の鈴の声 夜 山を過ぐ 秋の夜臨江駅に宿す・杜荀鶴 三九九
  • 702 鳴蝉 更に行人の耳を乱し 正に疎桐の葉の半ば黄なるを抱く 葛渓駅・王安石 四〇〇
  • 703 五夜の客愁 花片の裏 一年の春事 角声の中 落梅・尤袤(ゆうほう) 四〇〇
  • 704 鴎と渚を分ちて泊し 月を邀(むか)えて船を共にして眠る 白沙渡に泊す・真山民 四〇一
  • 705 灯影 漁舟の外 湍声(たんせい) 客枕の辺 白沙渡に泊す・真山民 四〇一
  • 706 東行西行 雲眇眇 二月三月 目遅遅たり 楽天の北窓三友の詩を詠ず・菅原道真 四〇二
  • 707 山遠くして 雲 行客の跡を埋め 松寒うして 風 旅人の夢を破る 愁賦・紀斉名 四〇二
  • 708 長風 浪を破って一帆還る 碧海 遙かに環る赤馬が関 赤馬が関を過ぐ・伊形霊雨 四〇三
  • 709 雪は白し 比良山の一角 春風は猶お未だ江州に到らず 花朝澱江を下る・藤井竹外 四〇三
  • 710 客身 遙かに青天の外に在り 九万の鵬程 一葉の舟 西紅海舟中・中井桜洲 四〇四
  • 711 一夢 醒め来たりて心未だ覚めず 尚お疑う 人影の舟中に在るかと 室積の夜泊に家翁を夢む・高杉東行 四〇四
  • 逆境 四〇五
  • 712 力は山を抜き 気は世を蓋う 時 利あらず 騅逝かず 垓下(がいか)の歌・項籍 四〇五
  • 713 孤鴻は外野に号(さけ)び 翔鳥は北林に鳴く 詠懐詩十七首(其の一)・阮籍 四〇五
  • 714 日月 人を擲(す)てて去り 志有るも騁(は)するを獲(え)ず 雑詩十二首(其の二)・陶潜 四〇六
  • 715 白髪 両〓を被い 肌膚復た実(み)たず 子を責む・陶潜 四〇六
  • 716 古より聖賢は尽く貧賤 何ぞ況んや我輩の孤にして且つ直なるをや 行路難に擬す十八首(其の六)・鮑照 四〇七
  • 717 朱火 独り人を照らし 景(かげ)を抱いて 自ら愁怨す 雑詩・王微 四〇八
  • 718 飛蓬の苦しきを怨まず 徒だ〓草(けいそう)の残(そこな)わるるを傷む 擣衣の詩五首(其の一)・柳〓 四〇八
  • 719 不才 明主棄て 多病 故人疎なり 歳暮南山に帰る・孟浩然 四〇九
  • 720 江上の形容 吾独り老い 天涯の風俗 自ら相親しむ 冬至・杜甫 四〇九
  • 721 海内の風塵 諸弟隔たり 天涯の涕涙 一身遥かなり 望夜・杜甫 四一〇
  • 722 弟妹 蕭条として 各々何くにか在る 干戈と衰謝と両(ふた)つながら相催す 九日五首(其の一)・杜甫 四一一
  • 723 白髪 花の落つるを悲しみ 青雲 鳥の飛ぶを羨む 左省の杜拾遺に寄す・岑参 四一一
  • 724 雲は秦嶺に横たわって 家 何くにか在る 雪は藍関を擁して 馬 前(すす)まず 左遷せられて藍関に至り姪孫湘に示す・韓〓 四一二
  • 725 同じく是れ 天涯倫落の人 相逢うは 何ぞ必ずしも曾ての相識のみならん 琵琶行・白居易 四一三
  • 726 青糸の髪落ちて 叢〓疎らに 紅玉の膚銷(はだき)えて 〓裙縵(ゆる)し 陵園の妾幽閉を憐むなり・白居易 四一三
  • 727 人は老いて花を簪(かざ)し自ら羞じず 花は応に老人の頭に上るを羞ずるなるべし 吉祥寺に牡丹を賞す・蘇軾 四一四
  • 728 七千里外 二毛の人 十八灘頭 一葉の身 八月七日初めて〓(かん)に入り惶恐灘(こうきようだん)を過ぐ・蘇軾 四一四
  • 729 詩の能く人を窮せしむるには非ず 窮する者にして 詩乃ち工(たく)みなり 僧恵勤、初めて僧職を罷む・蘇軾 四一五
  • 730 歯揺(ゆら)ぎ髪脱して 竟に顧みる莫く 詩書 腹に満ちて 身は蕭然たり 估客(こかく)の楽しみ・陸游 四一五
  • 731 暗中 人事 忽ち推遷し 坐して寒灰を守り 復た燃えんことを望む 甲午除夜・元好問 四一六
  • 732 百年 人事 登臨の地 落日 飛鴻 一線遅し 永寧南原の秋望・元好問 四一七
  • 733 都府楼は纔(わず)かに瓦の色を看 観音寺は只だ鐘の声を聞くのみ 門を出でず・菅原道真 四一七
  • 734 江湖に落魄して 暗に愁いを結ぶ 孤舟一夜 思い悠悠 乱を避け舟を江州の湖上に泛ぶ・足利義昭 四一八
  • 哀悼 四一九
  • 735 蒿里(こうり) 誰が家の地ぞ 魂魄を聚斂して賢愚無し 蒿里の曲・無名氏 四一九
  • 736 朝に高堂の上を発し 暮に黄泉の下に宿す 挽歌詩・繆襲(びゆうしゆう) 四一九
  • 737 孤魂は故城に翔り 霊柩 京師に寄す 白馬王彪に贈る(其の五)・曹植 四二〇
  • 738 廬を望みては其の人を思い 室に入りては歴(へ)し所を想う 悼亡詩三首(其の一)・潘岳 四二〇
  • 739 彼の遊川の魚の 目を比(なら)ぶるも中路に析(わか)るるがごとし 悼亡詩三首(其の一)・潘岳 四二一
  • 740 牀空しくして清塵に委(い)し 室虚しくて悲風来たる 悼亡詩三首(其の二)・潘岳 四二二
  • 741 寝興 目には形を存し 遺音は猶お耳に在り 悼亡詩三首(其の二)・潘岳 四二三
  • 742 栄華と歌笑と 万里尽く空と成る 挽歌・祖〓 四二三
  • 743 明月帰らず 碧海に沈み 白雲愁色 蒼梧に満つ 晃卿衡を哭す・李白 四二四
  • 744 存する者は 且く生を偸(ぬす)むも 死する者は 長(とこしな)えに已(や)めり 石壕の吏・杜甫 四二四
  • 745 明眸皓歯 今何くにか在る 血汚の遊魂 帰り得ず 哀江頭・杜甫 四二五
  • 746 慈烏 其の母を失い 唖唖として哀音を吐く 慈烏夜啼・白居易 四二六
  • 747 六軍発せず 奈何ともする無く 宛転たる蛾眉 馬前に死す 長恨歌・白居易 四二六
  • 748 天荒れ地変じて 心折ると雖も 若(も)し春を傷むに比べなば 意未だ多からず 曲江・李商隠 四二七
  • 749 終には当に与に穴を同じくすべきも 未だ死せずして涙漣漣たり 悼亡三首(其の一)・梅堯臣 四二七
  • 750 人間の婦を見尽くせるも 如(しか)く美且つ賢なるは無し 悼亡三首(其の三)・梅堯臣 四二八
  • 751 本 百歳の恩を期せしに 豈に料(はか)らんや 一夕に去らんとは 懐悲・梅堯臣 四二九
  • 752 妙質は平世の得るところと為らず 微言は惟だ故人の知る有るのみ 王逢原を思う三首(其の二)・王安石 四二九
  • 753 声有らば 当に天にも徹るべし 涙有らば 当に泉にも徹るべし 妾薄命・陳師道 四三〇
  • 754 寧くんぞ知らん 忘憂の花 一旦 朝露に摧かれんとは 内子王華姜を哭す十二首(其の十)・屈太均 四三一
  • 755 金烏 西舎に臨み 鼓声 短命を催す 臨終・大津皇子 四三一
  • 756 泉路 賓主無し 此の夕誰が家にか向かわん 臨終・大津皇子 四三二
  • 757 喪事は先哲の戒(いまし)め無きに非ざるも 哀毀を過して心身を損ずる莫かれ 高橋氏の慈母を喪するを弔す・宇都宮遯庵 四三二
  • 758 頭を回らせば 十有余年の夢 空しく幽明を隔てて 墓前に哭す 亡友月照の十七回忌辰の作・西郷隆盛 四三三
  • 759 忠魂貞霊 長えに散ぜず 千秋万古 桃山に侍す 双殉行・竹添井井 四三三
  • 五 処世 四三四
  • 教戒 四三四
  • 760 初め有らざること靡(な)く 克(よ)く終わり有ること鮮(すく)なし 蕩・(詩経) 四三四
  • 761 殷鑒 遠からず 夏后の世に在り 蕩・(詩経) 四三五
  • 762 匪たる君子有り 切するがごとく磋するがごとく琢するがごとく磨するがごとし 淇奥(きいく)・(詩経) 四三五
  • 763 寡妻に刑(のつと)り 兄弟に至り 以て家邦を御(おさ)む 思斉・(詩経) 四三六
  • 764 天 烝民を生ず 物有れば則有り 烝民・(詩経) 四三六
  • 765 儀を令くし色を令(よ)くし 小心翼翼たり 烝民・(詩経) 四三七
  • 766 戦戦兢兢として 深淵に臨むがごとく 薄氷を履むがごとし 小旻(しようびん)・(詩経) 四三七
  • 767 高山は仰ぎ 景行は行く 車〓(しやかつ)・(詩経) 四三八
  • 768 它山の石 以て玉を攻(おさ)むべし 鶴鳴・(詩経) 四三九
  • 769 夙(つと)に興(お)き夜(よわ)に寐(い)ね 爾の所生を恭(はずか)しむる無かれ 小苑・(詩経) 四三九
  • 770 哲夫は城(くに)を成し 哲婦は城を傾く 瞻〓(せんぎよう)・(詩経) 四四〇
  • 771 天は蓋し高しと謂うも 敢えて局せずんばあらず 地は蓋し厚しと謂うも敢えて蹐(せき)せずんばあらず 正月・(詩経) 四四一
  • 772 鳶(とび)は飛んで天に戻(いた)り 魚は淵に躍る 旱麓(かんろく)・(詩経) 四四二
  • 773 我が心は石に匪(あら)ず 転ずべからざるなり 我が心は席(むしろ)に匪ず 巻くべからざるなり 柏舟・(詩経) 四四二
  • 774 瓜田に履(くつ)を納(い)れず 李下に冠を正さず 君子行・無名氏 四四三
  • 775 生年は百に満たず 常に千歳の憂いを懐く 古詩十九首(其の十五)・無名氏 四四四
  • 776 昼の短くして夜の長きに苦しむ 何ぞ燭を秉りて遊ばざる 古詩十九首(其の十五)・無名氏 四四五
  • 777 人生 新故有り 貴賤 相踰えず 羽林郎・辛延年 四四五
  • 778 下流は処るべからず 君子は厥(そ)の初めを慎む 百一の詩・応〓 四四六
  • 779 誰か言う 躯を捐(す)つること易しと 身を殺すこと 誠に独り難し 三良の詩・曹植 四四六
  • 780 善を積まば余慶有り 栄枯は立ちどころに須(ま)つべし 丁翼に贈る・曹植 四四七
  • 781 春秋 託(とど)まること有るに非ず 富貴 焉くんぞ常に保たれん 詠懐詩十七首(其の五)・阮籍 四四八
  • 782 寧ろ燕雀と与に翔けるも 黄鵠に随って飛ばざれ 詠懐詩十七首(其の十四)・阮籍 四四八
  • 783 功成るも 賞を受けず 高節 卓として羣せず 詠史詩八首(其の三)・左思 四四九
  • 784 貴き者は自ら貴ぶと雖も 之を視ること埃塵のごとく 賤しき者は自ら賤しむと雖も 之を重んずること千鈞のごとし 詠史詩八首(其の六)・左思 四四九
  • 785 渇すれども盗泉の水を飲まず 熱けれども悪木の陰に息わず 猛虎行・陸機 四五〇
  • 786 君子は固窮を守り 約に在りても貞に爽(たが)わず 雑詩十首(其の十)・張協 四五一
  • 787 富貴なれば他人も合し 貧賤なれば親戚も離る 感旧の詩・曹〓(そうちよ) 四五二
  • 788 固窮の節に頼らずんば 百世 当に誰か伝うべき 飲酒二十首(其の二)・陶潜 四五二
  • 789 蟻壌 山阿を漏らし 糸涙 金骨を毀(やぶ)る 君子有所思に代う・鮑照 四五三
  • 790 人生 意気に感ず 功名 誰か復た論ぜん 述懐・魏徴 四五四
  • 791 白首の相知も 猶お剣を按じ 朱門の先達も 弾冠を笑う 酒を酌みて裴迪(はいてき)に与う・王維 四五四
  • 792 世に処るは 大夢のごとし 胡為(なんす)れぞ 其の生を労する 春日酔いより起きて志を言ふ・李白 四五四
  • 793 功名富貴 若し長えに在らば 漢水も亦た応に 西北に流るべし 江上吟・李白 四五五
  • 794 且く楽しまん 生前一杯の酒 何ぞ須いん 身後千載の名 行路難三首(其の三)・李白 四五六
  • 795 人生世に在りて 意に称(かな)わざれば 明朝髪を散じて 扁舟を弄せん 宣州の謝〓楼にて校書叔雲に餞別す・李白 四五七
  • 796 君見ずや 今人 交態の薄きを 黄金用い尽くさば 還た疎索たり 邯鄲少年行・高適 四五七
  • 797 識り易し 浮生の理 一物をして違わしめ難し 秋野五首(其の二)・杜甫 四五八
  • 798 細かに物理を推すに 須らく行楽すべし 何ぞ用いん 浮名もて此の身を絆すを 曲江二首(其の一)・杜甫(ほだ) 四五九
  • 799 千秋 万歳の名 寂寞 身後の事 李白を夢む二首(其の二)・杜甫 四五九
  • 800 丈夫 会ず応に知己有るべし 世上の悠悠たる 安くんぞ論ずるに足らん 喬林に贈る・張謂 四六〇
  • 801 少年 真に喜ぶべし 老大 百ながら益無し 春に感ず(其の三)・韓〓 四六〇
  • 802 浮生は多塗なりと雖も 死に趨くは惟(こ)れ軌を一にす 秋懐詩・韓〓 四六一
  • 803 誰か知らん 盤中の〓(そん) 粒粒 皆辛苦なるを 農を憫(あわれ)む・李紳 四六二
  • 804 人間の禍福は 愚かにして料り難し 世上の風波は 老いても禁ぜず 戊申歳暮、詠懐三首(其の三)・白居易 四六二
  • 805 富家の女は嫁し易し 嫁すること早きも其の夫を軽んず 婚を議す・白居易 四六三
  • 806 巫峡(ふきよう)の水は能く舟を覆すも 若し人の心に比すれば是れ安流 太行の路・白居易 四六四
  • 807 人生まれて婦人の身と作(な)る莫かれ 百年の苦楽 他人に由る 太行の路・白居易 四六五
  • 808 行路難 水にも在らず山にも在らず 只だ人情反覆の間に在り 太行の路・白居易 四六五
  • 809 常に智慧の剣を持して 煩悩の賊を破らんと擬す 寒山 四六六
  • 810 禄厚くしては責の大なるを憂い 言深くしては交わりの浅きを慮る 寒山 四六六
  • 811 君に勧む 惜しむ莫かれ 金縷(きんる)の衣 君に勧む 惜しみ取れ 少年の時 金縷の衣・杜秋娘 四六七
  • 812 遅遅たる〓畔の松 鬱鬱として晩翠を含む 従子杲を戒む・范質 四六七
  • 813 子を養いて教えざるは父の過ちなり 訓導の厳ならざるは師の惰(おこた)りなり 学を勧むる歌・司馬光 四六八
  • 814 道は通ず 天地有形の外 思いは入る 風雲変態の中 秋日偶成・程〓 四六八
  • 815 吾が生は寄するがごときのみ 初めより適く所を択ばず 淮を過ぐ・蘇軾 四六九
  • 816 棗を種うるは〓(う)つべきを期し 松を種うるは〓(き)るべきを期す 東坡八首(其の六)・蘇軾 四七〇
  • 817 興亡 百変すれども 物は自ら閑なり 富貴は一朝なれども 名は朽ちず 石鼓の歌・蘇軾 四七一
  • 818 人生は寄するがごとし 何ぞ楽しまざる 絳〓(こうろう)をして黄昏に焼かしむるに任さん 呂梁の仲屯田に答う・蘇軾 四七一
  • 819 眉を横たえて冷やかに対す 千夫の指 首を俯して甘んじて為る 孺子の牛 自嘲・魯迅 四七二
  • 820 言を寄す 諸少年 己を修めて他を求むること勿かれ 雑詩・梁川星巌 四七三
  • 821 謗(そし)る者は 汝の謗るに任せ 嗤(わら)う者は 汝の嗤うに任す 漫述・佐久間象山 四七三
  • 822 子を生まば当に玉のごとくなるべし 妻を娶らば当に花のごとくなるべし 古に擬す・河野鉄兜(てつとう) 四七四
  • 823 一家の遺事 人知るや否や 児孫の為に美田を買わず 偶成・西郷隆盛 四七四
  • 824 誰か知らん 黙黙不言の裡 山は是れ青青 花は是れ紅なるを 偶感・古荘(ふるしよう)火海 四七五
  • 閑適 四七六
  • 825 〓は鳴く 高樹の 巓(いただき) 狗は吠ゆ 深宮の中 〓鳴・無名氏 四七六
  • 826 永嘯長吟し 性を頤(やしな)い寿を養わん 幽憤詩・〓 康 四七六
  • 827 衣を千仭の崗に振い 足を万里の流れに濯わん 詠史詩八首(其の五)・左思 四七七
  • 828 情を放(ほしい)ままにして霄外を凌ぎ 蘂(ずい)を嚼(か)みて飛泉を〓(く)む 遊仙詩七首(其の三)・郭璞 四七七
  • 829 長揖す 当塗の人 去来す 山林の客 遊仙詩七首(其の七)・郭璞 四七八
  • 830 曖曖たり 遠人の村 依依たり 墟里の煙 田園の居に帰る五首(其の一)・陶潜 四七九
  • 831 白日 荊扉を掩い 虚室 塵想を絶つ 田園の居に帰る五首(其の二)・陶潜 四七九
  • 832 晨に興(お)きて荒穢(こうあい)を埋(おさ)め 月を帯び鋤を荷(にな)いて帰る 田園の居に帰る五首(其の三)・陶潜 四八〇
  • 833 言わんと欲するも 予(われ)に和する無く 杯を揮(あ)げて 孤影に勧む 雑詩十二首(其の二)・陶潜 四八〇
  • 834 〓を被て 欣びて自得し 〓々空しきも 常に晏如たり 始めて鎮軍参軍と作り、………………・陶潜 四八一
  • 835 廬を結んで人境に在り 而も車馬の喧(かしま)しき無し 飲酒二十首(其の五)・陶潜 四八一
  • 836 菊を采る 東籬の下 悠然として南山を見る 飲酒二十首(其の五)・陶潜 四八二
  • 837 此の中に真意有り 弁ぜんと欲して已に言を忘る 飲酒二十首(其の五)・陶潜 四八三
  • 838 此の忘憂の物に汎べ 我が世を遺(わす)るるの情を遠くす 飲酒二十首(其の七)・陶潜 四八三
  • 839 日入りて 羣動息み 帰鳥 林に趨きて鳴く 飲酒二十首(其の七)・陶潜 四八四
  • 840 石に憩いて 飛泉を〓み 林を攀じて 落英を搴(と)る 初めて郡を去る・謝霊運 四八四
  • 841 石に企(つまだ)ちて 飛泉を〓み 林を攀じて 葉巻を摘む 斤竹〓より嶺を越えて渓行す・謝霊運 四八四
  • 842 慮(おも)いは澹(しず)かにして 物は自ら軽く 意は〓(かな)いて理に違うこと無し 石壁精舎湖中に還るの作・謝霊運 四八五
  • 843 賓至らば觴(しよく)を命ずべく 朋来たらば 当に翰を染むべし 秋懐の詩・謝恵連 四八五
  • 844 跡を遯(のが)れて 紛喧を避け 農に貨(か)わりて 寂寞に棲む 秋夜二首(其の二)・鮑照 四八六
  • 845 琴を停めて 涼月に佇(たたず)み 燭を滅して 帰鴻を聴く 病を移して園に帰り、親属に示す・謝〓 四八七
  • 846 巌扉松逕(がんぴしようけい) 長えに寂寥 唯だ幽人の自ら来去する有り 夜鹿門に帰る歌・孟浩然 四八七
  • 847 山中 外事無し 樵唱 時有ってか聞こゆ 汝墳の別業・祖詠 四八八
  • 848 科頭にして箕踞す 長松の下 白眼看他す 世上の人 盧員外象と崔処士興宗の林亭に過ぎる・王維 四八八
  • 849 悠然たり 遠山の暮れ 独り白雲に向かって帰る 〓川に帰るの作・王維 四八九
  • 850 松風 解帯を吹き 山月 弾琴を照らす 張少府に酬ゆ・王維 四九〇
  • 851 行きては 水の窮まる処に到り 坐しては 雲の起こる時を看る 終南の別業・王維 四九〇
  • 852 終年客無く 長く関を閉ざし 終日心無くして 長く自ら間なり 張五弟に答う・王維 四九一
  • 853 世事浮雲 何ぞ問うに足らん 如かず 高臥して且つ餐を加えんには 酒を酌みて裴迪に与う・王維 四九二
  • 854 相看て 両つながら厭かず 只だ敬亭山有るのみ 独り敬亭山に坐す・李白 四九二
  • 855 余に問う 何の意か碧山に棲むと 笑って答えず 心自ら閑なり 山中にて俗人に答う・李白 四九二
  • 856 桃花流水 杳然として去る 別に天地の人間に非ざる有り 山中にて俗人に答う・李白 四九三
  • 857 花は暖かにして 青牛臥し 松は高うして 白鶴眠る 雍尊師の隠居を尋ぬ・李白 四九三
  • 858 月に酔うて 頻りに聖に中たり 花に迷うて 君に事えず 孟浩然に贈る・李白 四九四
  • 859 柴門を払って遠客を迎えんと欲すれば 青苔 黄葉 貧家に満つ 李穆(りぼく)に酬ゆ・劉長卿 四九四
  • 860 水流れ 心競わず 雲在り 意は倶に遅し 江亭・杜甫 四九五
  • 861 舎南舎北 皆春水 但だ見る 群〓の日日に来たるを 客至る・杜甫 四九五
  • 862 花径 曾て客に縁りて掃わず 蓬門 今始めて君が為に開く 客至る・杜甫 四九六
  • 863 日夕寒山を見 便ち独往の客と為る 鹿柴・裴迪 四九六
  • 864 秋庭掃わず 藤杖を攜え 閑かに梧桐の黄葉を〓んで行く 晩秋閑居・白居易 四九七
  • 865 遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き 香炉峰の雪は 簾を撥(かか)げて看る 香炉峰下、新たに山居を卜し、……・白居易 四九七
  • 866 閑に農圃の隣に依り 偶々山林の客に似たり 渓居・柳宗元 四九八
  • 867 只だ此の山中に在らん 雲深くして処を知らず 隠者を尋ねて遇わず・賈島 四九九
  • 868 心を廻らせば 即ち是れ仏 外頭に向かって看(もと)むること莫かれ 寒山 四九九
  • 869 〓の丹桂の下に住して 且く白雲に枕して眠らん 寒山 五〇〇
  • 870 人 寒山の道を問うも 寒山 路通ぜず ・寒山 五〇〇
  • 871 閑花 半ば落ちて 猶お蝶を迷わしめ 白鳥 双び飛んで 人を避けず 睦州の呂郎中が郡中の環渓亭・方干 五〇一
  • 872 山中 暦日無し 寒尽くれども 年を知らず 人に答う・太上隠者 五〇一
  • 873 硯を洗えば 魚墨を呑み 茶を烹(に)れば 鶴烟(けむり)を避く 友人の屋壁に書す・魏野 五〇二
  • 874 扁舟 一棹 何れの処にか帰る 家は 江南 黄葉の村に在り 李世南が画く所の秋景に書す二首(其の一)・蘇軾 五〇二
  • 875 渓山を買わんと欲して 銭を用いず 〓み来たって枕を高うす 白雲の辺 口占・呉偉業 五〇三
  • 876 晩来何者か 門を敲いて至る 雨と詩人と落花と 春雨筆庵に到る・広瀬旭荘 五〇三
  • 877 薫蕕臭裡(くんゆうしゆうり) 何物をか求めん 蝴蝶夢中 此の生を寄す 無題・夏目漱石 五〇四
  • 878 清風明月 時に随って至れば 羨まず 江湖范蠡(はんれい)が舟 七十自述・諸橋轍次 五〇四
  • 六 懐旧 五〇六
  • 回想 五〇六
  • 879 昔時 人已に没し 今日 水猶お寒し 易水送別・駱賓王 五〇六
  • 880 東山に向かわざること久し 薔薇 幾度か花さく 東山を憶う二首(其の一)・李白 五〇六
  • 881 我 〓橋(いきよう)の上に来たり 古を懐いて 英風を欽(した)う 下〓(かひ)の〓橋を経て張子房を懐う・李白 五〇七
  • 882 燭を背けては共に憐む 深夜の月 花を〓んでは同じく惜しむ 少年の春 春中盧四周諒と華陽観に同居す・白居易 五〇八
  • 883 白頭の宮女在り 間坐して玄宗を説く 行宮・元〓 五〇九
  • 884 錦瑟 端無くも五十絃 一絃 一柱 華年を思う 錦瑟・李商隠 五〇九
  • 885 無情 最も是れ台城の柳 旧に依って烟は篭(こ)む十里の〓(つつみ) 金陵の図・韋荘 五一〇
  • 886 去年の今日 関山の路 細雨 梅花 正に魂を断てり 正月二十日、岐亭に往く、……・蘇軾 五一〇
  • 887 桃李 春風 一杯の酒 江湖 夜雨 十年の灯 黄幾復に寄す・黄庭堅 五一一
  • 888 白頭 古を弔う 風霜の裏 老木 蒼波 無限の悲しみ 岳陽楼に登る二首(其の一)・陳与義 五一一
  • 889 書生 幾たびか点ず 残碑の涙 一えに弔う 諸賢 地下の霊 元祐党籍碑を観る・劉克荘 五一二
  • 890 踏青 無限 傷心の事 併せて入る 南朝 落〓(らくしよう)の中 丙申春、医に秦淮に就き、……・銭謙益 五一二
  • 891 十年の旧約 江南の夢 独り聴く 寒山 半夜の鐘 夜雨寒山寺に題し、……二首(其の一)・王士〓 五一三
  • 892 桃李言(ものい)わず 春幾ばくか暮れぬる 煙霞跡無し 昔誰か栖(す)みし 山中に仙室有り・菅原文時 五一三
  • 893 故国の山河 幾度か更まる 英雄 骨を埋めて 名を埋めず 石頭城に遊ぶの韻に和す・釈円旨 五一四
  • 894 千山の風雨 時時悪し 猶お作す 当年 叱〓の声 豊公の旧宅に寄題す・荻生徂徠 五一五
  • 895 今日始めて来たる 絃誦の地 古藤 影は掩う 旧茅堂 藤樹書院を過ぐ・伊藤東涯 五一五
  • 896 潮水帰来して 人事改まり 空山迢逓(ちようてい) 夕陽多し 稲叢(いなむら)懐古・太宰春台 五一六
  • 897 南土茫茫たり 古帝城 三条九陌 自ら縦横 寧楽(なら)懐古・太宰春台 五一六
  • 898 老い去り頭を回らせば 夢寐(むび)のごとし 端無くも写し出だす 意中の山 画山水自題・細井平洲 五一七
  • 899 万人 酔を買いて芳叢を攪(みだ)す 感慨 誰か能く 我と同じき 芳野に遊ぶ・頼杏坪(らいきようへい) 五一七
  • 900 怪風雨を吹いて 昼晦(かい)のごとし 驚破す 奇兵の天より降るかと 桶狭間を過ぐ・太田錦残 五一八
  • 901 今来古往 跡茫茫 石馬声無く 抔土(ほうど)荒る 芳野懐古・梁川星巌 五一八
  • 902 春日山頭 晩霞鎖す 〓〓(かりゆう)嘶(いなな)き罷んで 鳴鴉有り 春日山懐古・大槻盤渓 五一九
  • 903 只だ今唯だ東山の月有るのみ 来たり照らす当年の金色堂 平泉懐古二首(其の二)・大槻磐渓 五一九
  • 904 古陵の松柏 天〓(てんびよう)に吼ゆ 山寺 春を尋ぬれば 春寂寥 芳野・藤井竹外 五二〇
  • 905 眉雪の老僧 時に帚(は)くことを輟(や)め 落花深き処 南朝を説く 芳野・藤井竹外 五二〇
  • 906 山禽叫び断えて 夜寥寥 無限の春風 恨み未だ消えず 芳野・河野鉄兜 五二〇
  • 907 露臥す 延元陵下の月 満身の花影 南朝を夢む 芳野・河野鉄兜 五二一
  • 908 一穂の寒灯 眼(まなこ)を照らして明らかなり 沈思黙坐すれば 無限の情 偶成・木戸孝允 五二一
  • 909 斗酒 乾坤を凌ぎ 豪気 星辰に逼る 客中春に逢いて子規に寄す・夏目漱石 五二二
  • 910 青山 長えに是れ傷心の地 輦路の春風 又落花 芳山懐古・土屋久泰 五二三
  • 詠史 五二四
  • 911 悠悠たる 百世の後 英名 八区に擅(ほしい)ままにす 史を詠ぜし詩八首(其の四)・左思 五二四
  • 912 旧苑荒台 楊柳新たなり 菱歌(りようか)の清唱 春に勝えず 蘇台覧古・李白 五二五
  • 913 只だ今惟だ西江の月有るのみ 曾て照らす 呉王宮裏の人 蘇台覧古・李白 五二五
  • 914 宮女は花のごとく春殿に満ちしが 只だ今 惟だ〓鴣(しやこ)の飛ぶ有るのみ 越中懐古・李白 五二五
  • 915 呉宮の花艸は 幽径を埋め 晋代の衣冠は 古丘と成る 金陵の鳳皇台に登る・李白 五二六
  • 916 漢皇 色を重んじて傾国を思う 御宇 多年求むれども得ず 長恨歌・白居易 五二七
  • 917 江東の子弟 才俊多し 巻土重来 未だ知るべからず 烏江亭に題す・杜牧 五三〇
  • 918 坑灰 未だ冷えざるに 山東乱る 劉項 元来 書を読まず 焚書坑・章碣(しようけつ) 五三一
  • 919 鴻門の玉斗 紛として雪のごとし 十万の降兵 夜血を流す 虞美人草・曾鞏 五三二
  • 920 滔滔たる逝水 今古に流れ 漢楚の興亡 両つながら丘土 虞美人草・曾鞏 五三三
  • 921 灯暗うして 数行 虞氏が涙 夜深(ふ)けて 四面楚歌の声 項羽を賦す・橘広相(ひろみ) 五三三
  • 922 霜は軍営に満ちて 秋気清し 数行の過雁 月三更 九月十三夜・上杉謙信 五三三
  • 923 千歳の恩讐 両つながら存せず 風雲長(とこしな)えに為に忠魂を弔う 生田に宿す・菅茶山 五三四
  • 924 客窗一夜 松籟を聴く 月は暗し 楠公墓畔の村 生田に宿す・菅茶山 五三四
  • 925 孤舟 月上って 水雲長し 崖樹 秋は寒し 古戦場 東坡赤壁の図・市河寛斎 五三五
  • 926 春花 未だ曾て漢の為に発せず 芳心 長えに伴う 楚王の魂 虞美人草行・頼杏坪 五三五
  • 927 鞭声 粛粛 夜河を過る 暁に見る 千兵の大牙を擁するを 不識庵機山を撃つ図に題す・頼山陽 五三六
  • 928 海甸の陰風 草木腥(なまぐさ)し 史編特筆 姓名馨(かんば)し 楠公の子に訣るる図に題す・頼山陽 五三七
  • 929 白旗動かず 兵営静かなり 馬を辺城に立てて 乱鴻を看る 八幡公・頼山陽 五三七
  • 930 河流滔滔 去って還らず 遙かに望む 肥嶺の南雲に嚮(む)かうを 筑後河を下り、……・頼山陽 五三八
  • 931 相模太郎 胆 甕(かめ)のごとし 防海の将士 人各々力(つと)む 蒙古来・頼山陽 五三八
  • 932 老の阪 西に去れば備中の道 鞭を揚げて 東を指せば天猶お早し 本能寺・頼山陽 五三九
  • 933 吾が敵は正に本能寺に在り 敵は備中に在り 汝能く備えよ 本能寺・頼山陽 五四〇
  • 934 誰か知らん 天下三分の業 已に悠然 膝を抱く時に在るを 草廬三顧の図・朝川善庵 五四〇
  • 935 画戟彩旌(がげきさいせい) 空しく一夢 蘆花乱れ発いて 月蒼蒼 隈川雑詠五首(其の四)・広瀬淡窓 五四一
  • 936 伏敵門頭 浪 天を拍(う)つ 当時の築石 自ら依然たり 筑前城下の作・広瀬淡窓 五四一
  • 937 状貌は婦人 風骨は仙 博浪の一撃 胆 天のごとし 張良の図賛・梁川星巌 五四二
  • 938 茫茫たる 天地古今の間 〓(こ)の事独り許す 赤城の士 四十七士を咏ず・阪井虎山 五四二
  • 939 馬上 残日 東風悪し 吹き落とす 関山幾樹の花 八幡公勿来関の図・藤森弘庵 五四三
  • 940 少女言わず 花語らず 英雄の心緒 乱れて糸のごとし 太田道灌蓑を借るの図・無名氏 五四三
  • 自責 五四四
  • 941 宿昔 青雲の志 蹉〓たり 白髪の年 鏡に照らして白髪を見る・張九齢 五四四
  • 942 一臥 東山 三十春 豈に知らんや 書剣もて風塵に老いんとは 人日杜二拾遺に寄す・高適 五四五
  • 943 君に明珠を還して 双涙垂る 恨むらくは 未だ嫁がざる時に相逢わざりしを 節婦吟・張籍 五四五
  • 944 十年一たび覚む 揚州の夢 贏(か)ち得たり 青楼薄倖の名 懐を遺る・杜牧 五四六
  • 945 人生五十 功無きを愧(は)ず 花木春過ぎて 夏已に中ばなり 海南行・細川頼之 五四六
  • 946 遺恨なり十年 一剣を磨き 流星 光底 長蛇を逸す 不識庵機山を撃つ図に題す・頼山陽 五四七
  • 947 愧ず 我何の顔(かんばせ)あってか父老に看(まみ)えん 凱歌今日 幾人か還る 凱旋感有り・乃木希典 五四七
  • 第三編 社会への燃焼
  • 一 治乱興亡 五五〇
  • 政治と社会 五五〇
  • 948 我が蒸民を立つるは 爾の極に匪ざるは莫し 思文・(詩経) 五五〇
  • 949 南風の薫ずる 以て吾が民の慍(いか)りを解くべし 南風の歌・無名氏 五五〇
  • 950 南風の時なる 以て吾が民の財を阜(ゆた)かにすべし 南風の歌・無名氏 五五一
  • 951 識らず知らず 帝の則に順う 康衢謡(こうくよう)・無名氏 五五一
  • 952 日出でて作(お)き 日入りて息う 井を鑿(うが)ちて飲み 田を耕して食う 撃壌の歌・無名氏 五五二
  • 953 道は未だ形(あら)われざるに隠れ 治は既に乱るるに彰(あき)らかなり 応詔して曲水に讌せしとき作れる詩・顔延之 五五二
  • 954 罪無きも誅せられ 功あるも賞せられず 孤魂流落す 此の城辺 古長城吟・王翰 五五三
  • 955 去年 米貴くして軍食を闕(か)き 今年 米賤(やす)くして太だ農を(やぶ)傷る 歳晏行・杜甫 五五三
  • 956 安くんぞ広廈の千万間なるを得て 大いに天下の寒土を庇(かば)いて倶に歓顔せん 茅屋秋風の破る所と為る歌・杜甫 五五四
  • 957 一車の炭の重さ 千余斤 宮使駆り将て 惜しみ得ず 売炭翁宮市に苦しむなり・白居易 五五四
  • 958 万里 雲際に連なると雖も 争(いか)でか 堯階三尺の高きに及ばんや 長城・汪遵 五五五
  • 959 紛紛たる 五代乱離の間 一旦 雲開きて 復た天を見る 観盛花吟二首(其の一)・邵雍 五五六
  • 960 水は清くして酒の好きを知り 山は痩せて民の貧しきを識る 黄碧・徐〓 五五七
  • 961 難に殉じ命を殞(おと)すは戦士に非ず 害を被むるは総べて是れ無辜(むこ)の民 原爆行・土屋久泰 五五七
  • 征戦と乱世 五五八
  • 962 暴を以て暴に易え 其の非を知らず 采薇の歌・伯夷・叔斉 五五八
  • 963 麦秀でて漸漸たり 禾黍 油油たり 麦秋の歌・箕子(きし) 五五九
  • 964 彼の帖(こ)に陟(のぼ)りて 父(ちち)を瞻望(せんぼう)す 父は曰わん嗟予(ああわ)が子よ 行役して夙夜已(しゆくやや)むこと無けん 陟〓(ちよくこ)・(詩経) 五五九
  • 965 〓に匪ず虎に匪ず 彼の曠野に率(したが)う 何草不黄・(詩経) 五六〇
  • 966 男児 憐むべき虫 門を出ずれば死の憂えを懐く 企喩歌・無名氏 五六一
  • 967 従軍 苦楽有り 但だ問う 従う所は誰ぞと 従軍詩五首(其の一)・王粲 五六一
  • 968 舟を汎べて 長川を蓋(おお)い 卒を陳(つら)ねて 隰〓(しゆうけい)を被(おお)う 従軍詩五首(其の二)・王粲 五六二
  • 969 征夫 心に懐い多く 悽愴として吾をして悲しましむ 従軍詩五首(其の三)・王粲 五六三
  • 970 城郭には榛棘(しんきよく)生じ 蹊径 由る所無し 従軍詩五首(其の五)・王粲 五六三
  • 971 門を出ずれども見る所無く 白骨 平原を蔽う 七哀の詩三首(其の一)・王粲 五六四
  • 972 路に飢えたる婦人有り 子を抱きて草間に棄つ 七哀の詩三首(其の一)・王粲 五六四
  • 973 酔うて沙場に臥す 君 笑うこと莫かれ 古来 征戦 幾人か回る 涼州詩・王翰 五六五
  • 974 秦時の明月 漢時の関 万里長征 人未だ還らず 従軍行三首(其の三)・王昌齢 五六五
  • 975 髑髏(どくろ)は尽く是れ長城の卒 日暮 沙場 飛びて 灰と作る 塞下の曲(其の二)・常建 五六六
  • 976 万国 尚お戎馬 故園 今若何 復た愁う十二首(其の三)・杜甫 五六六
  • 977 親朋 一字無く 老病 孤舟有り 岳陽楼に登る・杜甫 五六六
  • 978 親朋 天地に満ち 兵甲 来書少(まれ)なり 中宵・杜甫 五六七
  • 979 戦哭するは新鬼多く 愁吟するは独り老翁 雪に対す・杜甫 五六八
  • 980 国破れて 山河在り 城春にして 草木深し 春望・杜甫 五六八
  • 981 時に感じては 花にも涙を濺ぎ 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす 春望・杜甫 五六九
  • 982 烽火 三月に連なり 家書 万金に抵(あ)たる 春望・杜甫 五六九
  • 983 万事 干戈の裏 空しく悲しむ 清夜の徂(ゆ)くを 〓夜・杜甫 五六九
  • 984 車〓〓 馬蕭蕭 行人の弓箭 各々腰に在り 兵車行・杜甫 五七〇
  • 985 君見ずや 青海の頭(ほとり) 古来白骨 人の収むる無し 兵車行・杜甫 五七一
  • 986 花は高楼に近くして 客心を傷ましむ 万方多難なるとき 此に登臨す 登楼・杜甫 五七二
  • 987 江頭の宮殿 千門を鎖ざす 細柳新蒲 誰が為にか緑なる 哀江頭・杜甫 五七二
  • 988 村南村北 哭声哀し 児は爺嬢に別れ 夫は妻に別る 新豊の折臂翁・白居易 五七三
  • 989 憐むべし 無定河辺の骨 猶お是れ 春閨夢裏の人 隴西行・陳陶 五七五
  • 990 身を窮巷に竄(かく)し 米は玉のごとし 翁は〓(ぬ)れし 薪を尋(もと)め 媼(おうな)は粥を爨(た)く 兵乱に小巷中に寓するの作・呂本中 五七六
  • 991 白骨 縦横 乱麻に似たり 幾年か桑梓 竜沙に変ぜし 癸巳五月三日北渡三首(其の三)・元好問 五七六
  • 992 高原 水出でて 山河改まり 戦地 風来たりて 草木腥し 壬辰十二月車駕五首(其の二)・元好問 五七七
  • 993 野蔓 情有りて戦骨に〓(まと)い 残陽 何の意ぞ空城を照らす 岐陽三首(其の二)・元好問 五七七
  • 994 北風 猟猟として 悲笳発し 渭水 瀟瀟として 戦骨寒し 岐陽三首(其の三)・元好問 五七八
  • 995 辛苦の遭逢は一経より起こる 干戈 落落たり 四周星 零丁洋を過ぐ・文天祥 五七九
  • 996 夜静かなり 海濤三万里 月明 錫を飛ばして 天風に下る 海に泛ぶ・王守仁 五七九
  • 997 王師百万 強虜を征す 野戦攻城 屍山を作す 凱旋感あり・乃木希典 五八〇
  • 998 山川草木 転た荒涼 十里風腥し 新戦場 金州城下の作・乃木希典 五八〇
  • 999 征馬前まず 人語らず 金州城外 斜陽に立つ 金州城下の作・乃木希典 五八一
  • 1000 東西南北 幾山河 春夏秋冬 月又花 法庫門営中の作・乃木希典 五八一
  • 塞外 五八二
  • 1001 雪は暗し 天山の道 冰は塞ぐ 交河の源 出塞・虞世基 五八二
  • 1002 黄昏 塞北に人煙無く 鬼哭 啾啾(しゆうしゆう)として 声 天に沸く 古長城吟・王翰 五八二
  • 1003 葡萄の美酒 夜光の杯 飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す 涼州詞・王翰 五八三
  • 1004 黄河 遠く上る 白雲の間 一片の孤城 万仭の山 涼州詞・王之渙 五八四
  • 1005 羌笛 何ぞ須いん 楊柳を怨むを 春光 度らず 玉門関 涼州詞・王之渙 五八四
  • 1006 大漠 孤烟 直く 長河 落日 円かなり 使いして塞上に至る・王維 五八五
  • 1007 戌鼓 人行断え 辺秋 一雁の声 月夜舎弟を憶う・杜甫 五八五
  • 1008 胡笳一曲 人の腸を断つ 坐客相看て 涙雨のごとし 酒泉太守の席上、酔後の作・岑参 五八六
  • 1009 馬を走らせて 西来 天に到らんと欲す 家を辞してより月の両回円かなるを見る 磧中(せきちゆう)の作・岑参 五八六
  • 1010 今夜は知らず 何れの処にか宿するを 平沙万里 人烟絶ゆ 磧中の作・岑参 五八七
  • 1011 君聞かずや 胡笳の声 最も悲しきを 紫髯 緑眼の胡人吹く 胡笳の歌、顔真卿の使いして…………・岑参 五八七
  • 1012 雪塞搗砧(とうちん) 人戌遠く 霜営吹角(すいかく) 客愁孤なり 通州道中・汪元量 五八八
  • 1013 辺風 吹き断つ 秋の心緒 隴水(ろうすい) 流れ添う 夜の涙の行 王昭君・大江朝綱 五八八
  • 二 憂国慨世 五九〇
  • 慨世 五九〇
  • 1014 中原 還た鹿を逐う 筆を投じて 戎軒を事とす 懐いを述ぶ・魏徴 五九〇
  • 1015 風塵 三尺の剣 社稷 一戎衣 重ねて昭陵を経たり・杜甫 五九一
  • 1016 君を堯舜の上に致して 再び風俗をして淳ならしめん 韋左丞に贈る・杜甫 五九二
  • 1017 朱門には酒肉臭く 路には凍死の骨有り 京より奉先県に赴く、詠懐、五百字・杜甫 五九三
  • 1018 志士幽人 怨嗟すること莫かれ 古来 材大なれば用を為し難し 古柏行・杜甫 五九四
  • 1019 我が生 何為れぞ窮谷に在る 中夜 起坐すれば万感集まる 乾元中同谷県に寓居して作れる歌七首(其の五)・杜甫 五九五
  • 1020 商女は知らず 亡国の恨み 江を隔てて猶お唱う 後庭花 秦淮に泊す・杜牧 五九五
  • 1021 出師の一表 真に名世 千載 誰か堪えん 伯仲の間 憤りを書す・陸游 五九六
  • 1022 古を去ること 日に已に遠く 百偽 一真無し 飲酒五首(其の二)・元好問 五九六
  • 1023 時 窮して 節 乃ち見(あら)われ 一一 丹青に垂る 正気の歌・文天祥 五九七
  • 1024 人生 古より誰か死無からん 丹心を留取して 汗青を照らさん 零丁洋を過ぐ・文天祥 五九八
  • 1025 我は今世の人に非ず 空しく懐く 今世の憂い 閑居感懐・方孝孺 五九八
  • 1026 国を憂えて身を恤(うれ)えず 狂言は上官の嗔(いか)りを受くるに信ず 上書の稿に題す・佐久間象山 五九九
  • 1027 妻は病牀に臥し 児は飢えに叫(な)く 身を挺して直ちに戎夷を払わんと欲す 訣別・梅田雲浜 五九九
  • 1028 報国の丹心 独力を嗟(なげ)き 回天の事業 空拳を奈(いかん)せん 児島高徳の桜樹に書する図に題す・斎藤監物 六〇〇
  • 1029 眼に見る年年 開化の新たなるを 才を研(みが)き智を磨き競いて身を謀る 偶成・松平春岳 六〇〇
  • 1030 邦家の前路 容易ならず 三千余万 蒼生を奈(いかん)せん 偶成・木戸孝允 六〇一
  • 1031 至尊をして社稷を憂えしむること莫かれ 呉越をして同船に棹(さお)ささしむるを休めよ 丙辰秋偶作・諸橋轍次 六〇一
  • 悲壮 六〇二
  • 1032 風 蕭蕭として 易水 寒し 壮士 一たび去って復た還らず 易水を渡るの歌・荊軻 六〇二
  • 1033 心 木石に非ず 豈に感無からんや 声を呑み 躑躅(てきちよく)して敢えて言わず 行路難に擬す八首(其の四)・鮑照 六〇三
  • 1034 耿介 長剣に倚れば 日は落ちて 風塵昏し 出塞・虞世基 六〇三
  • 1035 黄沙百戦 金甲を穿つも 楼蘭を破らずんば 終に還らじ 従軍行三首(其の二)・王昌齢 六〇四
  • 1036 孰(たれ)か知らん 辺庭に向(おい)て苦しまざるを 縦い死すとも 猶お〓骨の香しきを聞かしめん 少年行四首(其の二)・王維 六〇四
  • 1037 藜(れい)を杖(つ)き世を歎ずる者は誰が子ぞ 泣血(きゆうけつ)空に迸(ほとばし)らせ 白頭を廻らす 白帝城の最高楼・杜甫 六〇五
  • 1038 酔中 剣を払えば 光 月を射る 往往 悲歌して 独り涕を流す 楼上の酔歌・陸游 六〇六
  • 1039 衣は骭(かん)に至り 袖腕に至る 腰間の秋水 鉄をも断つべし 前兵児の謡・頼山陽 六〇六
  • 1040 千載の 帝魂 呼べども返らず 春風腸は断つ 御裳川(みもすそがわ) 壇の浦を過ぐ・村上仏山 六〇七
  • 1041 恨むを休めよ 空しく讒間の為に死するを 自ら後世議論の公なる有り 囚中の作・高杉東行 六〇八
  • 1042 斯(こ)の身飢うれば 斯の児育たず 斯の児棄てざれば 斯の身飢う 棄児行・雲井竜雄 六〇八
  • 1043 孤軍奮闘 囲みを破って還る 一百の里程 塁壁の間 城山・西琴石 六〇九
  • 1044 吾が剣は既に摧け 吾が馬は斃(たお)る 秋風 骨を埋む 故郷の山 城山・西琴石 六〇九
  • 1045 烏兎 〓髪を促し 意気 功名を軽んず 失題・夏目漱石 六一〇
  • 1046 南 鶴が城を望めば 砲煙〓(あが)る 痛哭 涙を飲んで且く彷徨す 白虎隊・佐原豊山 六一〇
  • 1047 宗社亡びぬ 我が事畢(お)わる 十有九人腹を屠って僵る 白虎隊・佐原豊山 六一一
  • 誠忠 六一一
  • 1048 躯を捐てて 国難に赴く 死を視ること 忽ち 帰するがごとし 白馬篇・曹植 六一一
  • 1049 三顧頻繁なり 天下の計 両朝開済す 老臣の心 蜀相・杜甫 六一二
  • 1050 雄気堂堂 斗牛を貫く 誓って真節を将て 君 讐を報ぜん 青泥市の寺壁に題す・岳飛 六一二
  • 1051 義高くして便ち覚る 生の捨つるに堪うるを 礼重くして方に知る 死の甚だ軽きを 初めて建寧に到り賦せる詩・謝枋得 六一三
  • 1052 恩賜の御衣は今此に在り 捧持して毎日 余香を拝す 九月十日・菅原道真 六一四
  • 1053 既に全躬を殲(つ)くし 傾覆を支え 君が為に更に貽(のこ)す 一塊の肉 桜井の駅址を過ぐ・頼山陽 六一四
  • 1054 北向再拝 天日陰(くも)る 七たび人間に生まれて 此の賊を滅ぼさん 楠河州の墳に謁し作有り・頼山陽 六一五
  • 1055 寸木支え難し 大廈の頽るるを 丹心 死に抵るまで未だ曾て灰せず 加藤公の廟に謁す二首(其の二)・広瀬淡窓 六一五
  • 1056 山岳崩すべく 海翻すべし 消えず 四十七臣の魂 泉岳寺・阪井虎山 六一六
  • 1057 豹は死して皮を留む 豈に偶然ならんや 湊川の遺跡 水 天に連なる 大楠公・徳川斉昭 六一六
  • 1058 斯の公一死 児孫在り 護り得たり 南朝五十春 楠公湊川戦死の図・大槻磐渓 六一七
  • 1059 天地正大の気 粋然として神州に鍾(あつ)まる 文天祥の正気の歌に和す・藤田東湖 六一七
  • 1060 丹心一片 人知るや否や 家郷を夢みず 帝京を夢む 舟由良港に到る・吉村重郷 六一八
  • 1061 十年蘊結(うんけつ)す 熱血の腸 今日直ちに賊鋒に向かって裂く 芳山楠帯刀の歌・元田永孚(もとだながざね) 六一九
  • 第四編 雑詠
  • 一 詠物 六二二
  • 花木 六二二
  • 1062 揺れずして 香已に乱れ 風無くして 花自ら飛ぶ 薔薇を詠ず・江洪 六二二
  • 1063 洛陽城東 桃李の花 飛び来たり飛び去って 誰が家にか落つる 白頭を悲しむ翁に代わりて・劉希夷 六二二
  • 1064 春 来たれば 遍く是れ桃花の水 仙源を弁ぜず 何れの処にか尋ねん 桃源行・王維 六二四
  • 1065 煙葉蒙篭として 夜を侵す色 風枝蕭颯(しようさつ)として 秋ならんと欲するの声 令孤相公新たに郡内に於いて竹百竿を 白居易 六二四
  • 1066 江花 何れの処か 最も腸断 半ばは江水に落ち 半ばは空に在り 江花落つ・元〓 六二五
  • 1067 車を停めて坐(そぞ)ろに愛す 楓林の晩 霜葉は二月の花よりも紅なり 山行・杜牧 六二六
  • 1068 村園 門巷 多くは相似たり 処処の春風 枳殻(きこく)の花 城西に友人の別墅(べつしよ)を訪ぬ・雍陶 六二六
  • 1069 帰り来たりて試みに梅梢を把りて看れば 春は枝頭に在って 已に十分 春を探る・戴益 六二六
  • 1070 疎影 横斜 水 清浅 暗香 浮動 月 黄昏 山園の小梅二首(其の一)・林甫 六二七
  • 1071 別院 深深として夏簟(かてん)清く 石榴 開くこと遍く 簾(すだれ)を透して明らかなり 夏意・蘇舜欽 六二七
  • 1072 梨花は淡白にして 柳は深青 柳絮の飛ぶ時 花 城に満つ 孔密州の五絶に和す(其の三)東欄の梨花・蘇軾 六二八
  • 1073 情有る芍薬 春涙を含み 力無き薔薇 暁枝を臥す 春日・秦観 六二八
  • 1074 青瓷(せいじ)の瓶に挿す 紫薇の花 道旁の店(はたご)・楊万里 六二九
  • 1075 狂来 清興 遏(とど)むべからず 喫(くら)い尽くす 寒梅 一樹の花 己卯十一月朔、……・躑思肖 六三〇
  • 1076 雪は山中に満ちて 高士臥し 月明の林下 美人来たる 梅花九首(其の一)・高啓 六三〇
  • 1077 幾回か花枝を折りて〓(か)がんと欲すれども 心に花の傷つくを恐れ復た手を停む 惜花歎・高啓 六三一
  • 1078 寂寞たる山家 秋晩の暉(ひかり) 門前の紅葉 掃う人稀なり 山家の秋の歌・紀長谷雄 六三二
  • 1079 誰か謂う 花 語らずと 軽漾(けいよう)激すれば 影 唇を動かす 暮春宴に冷泉院の池亭に侍し……・菅原文時 六三二
  • 1080 弘道館中 千樹の梅 清香馥郁(ふくいく) 十分に開く 弘道館に梅花を賞す・徳川斉昭 六三三
  • 1081 零丁 宿を借る平忠度 吟詠 風を怨む源義家 桜花の詞・無名氏 六三三
  • 1082 滋賀の浦荒れて 暖雪翻り 奈良の都古りて 紅霞簇(むらが)る 桜花の詞・無名氏 六三四
  • 1083 幽懐 竹を写せば 雲 硯に生じ 高興 蘭を画けば 香 箋に満つ 無題・夏目漱石 六三四
  • 1084 的〓(てきれき)たる梅花 濃淡の外 朦朧たる月色 有無の中 無題・夏目漱石 六三五
  • 禽鳥 六三五
  • 1085 鶴 九皐(きゆうこう)に鳴いて 声 天に聞こゆ 鶴鳴・(詩経) 六三五
  • 1086 艸(くさ)枯れて 鷹眼(ようがん)疾く 雪尽きて 馬蹄軽し 猟を観る・王維 六三六
  • 1087 身を〓(そびやか)して 狡兔を思い 目を側てて 愁胡に似たり 画鷹・杜甫 六三七
  • 1088 香稲 啄み余す 鸚鵡の粒 碧梧 棲み老ゆ 鳳凰の枝 秋興八首(其の八)・杜甫 六三七
  • 1089 老鶴一声 山月高し 雪中江を渡り山を過ぎ暘谷(ようこく)の簡上人の房に飲む・薩都刺(さつとら) 六三八
  • 1090 門外 泥を銜んで 春燕 語らう 桜桃の消息 江南に到ると 閏四月廿三日夢中の作・銭謙益 六三八
  • 二 その他 六三九
  • 美女 六三九
  • 1091 一顧すれば人の城を傾け 再顧すれば人の国を傾く 歌一首・李延年 六三九
  • 1092 顧眄(こべん)すれば光彩を遺し 長嘯すれば 気は蘭のごとし 美女篇・曹植 六三九
  • 1093 丹脣(たんしん) 素歯を列ね 翠彩 蛾眉に発す 明月篇・傅玄 六四〇
  • 1094 瑤華 歩に随って響き 幽蘭 袂を逐うて生ず 擣衣の詩五首(其の四)・柳〓(りゆううん) 六四一
  • 1095 歌黛(かたい) 惨として愁うるがごとく 舞腰 凝りて絶えんと欲す 日夕江山を望み魚司馬に贈る・何遜 六四二
  • 1096 雲には衣裳を想い 花には容を想う 清平調詞三首(其の一)・李白 六四二
  • 1097 一枝濃艶 露 香を凝らす 雲雨巫山 枉(むな)しく断腸 清平調詞三首(其の二)・李白 六四三
  • 1098 眸を回らして一笑すれば 百媚生じ 六宮の粉〓 顔色無し 長恨歌・白居易 六四三
  • 1099 後宮の佳麗 三千人 三千の寵愛 一身に在り 長恨歌・白居易 六四四
  • 1100 嬋娟(せんけん)たる両〓は秋〓の翼 宛転たる双蛾は遠山の色 井底銀瓶を引く(淫奔を止むるなり)・白居易 六四四
  • 1101 涙は迷(まど)う 枝の上の露 粧いは誤る絮(はな)の中の雪 折楊柳を賦し得たり・菅原道真 六四五
  • 賛嘆 六四六
  • 1102 毫(ごう)を揮(ふる)って紙に落とせば雲烟のごとし 飲中八仙歌・杜甫 六四六
  • 1103 李杜 文章在り 光焔 万丈長し 張籍に調(たはむ)る・韓〓 六四六
  • 1104 大絃は〓〓として 急雨のごとく 小絃は切切として 私語のごとし 琵琶行・白居易 六四七
  • 1105 間関たる鶯語 花底に滑らかに 幽咽せる泉流 氷下に難む 琵琶行・白居易 六四七
  • 1106 別に幽愁と暗恨との生ずる有り 此の時 声無きは声有るに勝る 琵琶行・白居易 六四八
  • 1107 銀瓶 乍ち破れて水漿迸(ほとばし)り 鉄騎 突出して刀鎗鳴る 琵琶行・白居易 六四八
  • 1108 旧学の商量 邃密(すいみつ)を加え 新知の培養 転た深沈 鵝湖寺にて陸子寿に和す・朱熹 六四八
  • 1109 眼を洗いて君が詩を読めば 天を披(ひら)きて雲霧を扶(はら)う 梅季豹に逢いしを喜びて・蓑宏道 六四九
  • 付録
  • 一 漢詩について 六五二
  • 二 作者解説 六五九
  • 三 出典解説 七〇一
  • 四 漢詩参考年表 七一九
  • 五 中国歴史地図 七二八
  • 索引
  • 1 詩句索引 巻末三
  • 2 作者別詩題索引 巻末三〇
  • 3 語句索引 巻末四六

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