メインページ > 国立国会図書館サーチについて > 国立国会図書館サーチ構築の背景

国立国会図書館サーチ構築の背景


<社会の動き>
●デジタルコンテンツの増大
●外部の有用なWebサービスの増加
●利用者のニーズの変化
<国立国会図書館の中の動き>
●電子図書館中期計画2004から現在までの動き
●国立国会図書館サーチ(開発版)公開に至る動き(電子図書館関係のイベントを中心に)
●長尾ビジョンと国立国会図書館サーチ
●補正予算による大規模デジタル化
●保存のためのデジタル化と館内提供


当館が国立国会図書館サーチを構築した背景には、次のようなものがあります。

<社会の動き>

●デジタルコンテンツの増大
インターネット上では、指数的にデジタル情報が増大しています。政治、経済、文化、社会等、あらゆる領域で情報が電子的に生産・流通し、利用されており、デジタル情報が社会的基盤として重要となっています。もはや、図書館は従来のように紙媒体の資料のみを扱っていればいいという時代ではありません。図書館が、デジタル情報をいかに効率的に収集・保存し、利用者に提供するかが問われています。利用者が必要とする情報は、いわゆる深層ウェブと言われるデータベースの中に多く存在します。せっかくデータベース化されていても、そのデータベースの所在が分からなければ、利用できません。利用者を的確にナビゲートするためには、まず、個々のデータベースの所在と、その中にある情報を可視化(見える化)することが重要です。

●外部の有用なWebサービスの増加
インターネットの普及により、人々は、図書館以外に情報を入手する手段を多く知ることになりました。多くの場合、人々の情報入手の起点はインターネットであり、検索エンジンで調べ物をし、図書の購入はオンライン書店や電子出版サイトで行う、という行動が日常的なものとなっています。また、一般個人による情報発信も盛んに行われ、Q&Aサイト、ブログ、Wikipedia、SNSのようなサービスが世の中に定着し、Twitterのような新しいサービスも生まれています。

●利用者のニーズの変化
当然、利用者の図書館のサービスに対するニーズも変化しています。デジタル・冊子体の区別なく、また所蔵場所に関係なく、自分が閲覧しやすいものを検索・利用したい、と考えることが普通になっています。また、健常者と障害者、一般利用者と専門家等、自宅と移動中や移動先など、利用者のタイプや置かれた環境により、求めるサービスは異なります。従来型のOPACで満足する利用者は、もはや少数と言えるでしょう。
図書館は、そのような時代に対応しなければならなくなっています。

<国立国会図書館の中の動き>

●電子図書館中期計画2004から現在までの動き
国立国会図書館では、上に述べたような情報通信技術の急速な進展に対応し、電子図書館サービスを拡張するため、各種の取り組みを実施してきました。その中期的な方向性とその実現に必要な枠組みを示す電子図書館中期計画2004では、3つの柱を規定していますが、そのうちの1つが「デジタル・アーカイブのポータル機能」でした。それに基づき構築されたのが国立国会図書館デジタルアーカイブポータル(PORTA)です。国立国会図書館サーチは、その後継システムとして開発を進めてきて、現在、プロトタイプシステムを公開しています。

●国立国会図書館サーチ(開発版)公開に至る動き(電子図書館関係のイベントを中心に)
年月 イベント 概要
2004年2月 電子図書館中期計画2004策定 デジタル・アーカイブのポータル機能は、3つの柱のうちの1つ。
2004年10月 PORTAプロトタイプ開発開始 ・複数台のPCに、 SOA指向で機能分散した形で設計・構築。各種標準プロトコルを実装。
・OSSのみで構築。
2005年7月 PORTAプロトタイプ試験公開 サービスの有用性、適用技術の妥当性を検証。
2005年10月 PORTA正式版設計・開発開始 実運用規模を想定。・大量アクセス、大量データ、大量ユーザ対応・拡張容易性、障害時運用継続性、環境変更容易性・直感的操作性・可能な限り、先進技術の適用を目指す。
2007年10月 PORTA正式版公開  
2009年4月 国立国会図書館サーチ開発に向け、館内検討開始  
2010年1月 国立国会図書館サーチ 設計・開発開始  
2010年8月 国立国会図書館サーチ・ 開発版公開 23の機関と連携し、主要な機能を備えた形で、開発版として公開。今後順次機能拡張の予定。

●長尾ビジョンと国立国会図書館サーチ
国立国会図書館は平成20年に開館60周年を迎えるに当たり、使命を再確認し、今後目指すべき方向性を国立国会図書館60周年を迎えるに当たってのビジョン(長尾ビジョン)として次のようにまとめました。

(1) 国会に対するサービスをより高度なものとし、立法補佐機能をさらに強化します。
(2) 日本の知的活動の所産を網羅的に収集し、国民の共有資源として保存します。
(3) 利用者が求める情報への迅速で的確なアクセスまたは案内をできるようにします。
(4) 利用者がどこにいても、来館者と同様のサービスが受けられるように努めます。
(5) 社会に多様で魅力的なサービスを提供し、国立国会図書館の認知度を高めます。
(6) 公共図書館をはじめとする国内の各種図書館とより密接な連携・協力を進めます。
(7) 海外の図書館との密接な連携を行い、情報の共有・交換に努めます。

国立国会図書館サーチは上記のいずれにも寄与することを目指していますが、特に、(3)が目指す迅速なアクセス、(4)の地理的距離の克服、(5)の認知度の向上、(6)の関連機関との連携に寄与します。これらの特に関連の深い4項目の実現にはインターネットの活用が不可欠であり、国立国会図書館サーチにはこれらの使命を実現することが求められています。

●補正予算による大規模デジタル化
当館では、近代デジタルライブラリー等、蔵書のデジタル化を推進してきました。平成21年度の補正予算では、127億円のデジタル化経費が計上されました。これは、平成12年度補正予算における計上以来10年間分の予算の9倍に当たる額であり、当館では現在、館の緊急最優先の課題として、デジタル化の実施に取り組んでいます。デジタル化の対象は、戦前期、戦後期刊行図書約75.4万冊、戦前期等刊行雑誌3,300タイトル(27,000冊)、古典籍約10万冊等です。デジタル化したものは、平成22年度以降に可能なものから順次提供します。著作権処理を行ったものは、近代デジタルライブラリー等を通じてインターネット上で提供します。国立国会図書館サーチでは、それらを連携先としていますので、今後、国立国会図書館サーチを通じてデジタル化資料を閲覧することが可能となります。

●保存のためのデジタル化と館内提供
蔵書のデジタル化の目的の1つは、原資料保存です。戦後期刊行図書、戦前期等刊行雑誌等については、今後、原資料に替えてデジタル化資料を館内で提供します。これが可能となったのは、著作権法が改正され、原資料保存のため、権利者の許諾なく所蔵資料をデジタル化することが可能となったためです。今後、来館利用者の方々がデジタル化資料を閲覧・複写される場合、そちらをご利用いただくことになります。
平成24年1月の本格リリースにより、国立国会図書館サーチは、当館内の端末においても利用可能となる想定です。その際来館利用者の方々は、国立国会図書館サーチから、近代デジタルライブラリーや現在開発中のデジタルデポジットシステムの資料を検索し、ヒットした場合はそれらの資料を閲覧することが可能となります。複写の申し込みも、そこからシームレスに行うことができるようになる予定です。

前のページへ戻る