初版(2001年刊行)の内容をさらに充実させて全面改訂し、環境・公害に関わる行政・企業のほか、一般市民にとっても分かりやすく解説された研究資料。 「第1部 有害金属の生産量・輸入量・消費量および土壌汚染」では、日本における各種有害金属の生産量等のデータ、世界における有害金属汚染について記述されている。「第2部 カドミウム,亜鉛,鉛,銅による汚染」では、神岡鉱山などの日本国内における汚染地の調査研究、汚染対策の歴史と問題点、カドミウムによる人体被害、汚染土壌の修復について、豊富なデータを交えながら解説している。「第3部 各種有害金属による土壌―植物系の汚染」では、ベリリウム,クロム,ヒ素,モリブデン,銀等の有害金属の日本における汚染状況、人体・河川・湖沼・植物等への影響について、詳述されている。「第4部 都市の有害金属汚染」では、東京・大阪・京都等の大都市と10市町の道路脇粉塵を採取して得られた有害金属濃度を分析した都市別の汚染状況や有害金属ごとの都市比較がまとめられている。また、2003年に施行された土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)の特徴や問題点、環境省による土壌汚染調査結果の概説もある。 巻末に引用文献、図表写真一覧、索引が掲載されている。