メキシコ経済の良い点、問題点、リスクを理解できるよう、様々なデータや事例を使って、日本企業や日本のビジネスパーソン向けにまとめられた資料。「第1章 安定したマクロ経済」では、1980～1990年代に経験した2度の経済危機により、債務の質が改善された経緯を記述している。「第2章 拡大する消費市場」では、世帯平均月額所得推移、自動車・家電・生活関連サービスの世帯普及率、自動車販売台数等のデータを使って、メキシコの変化しつつある消費市場を概説している。「第3章 米国向け加工拠点として成長した輸出産業」では、NAFTA(北米自由貿易協定)やマキラドーラ制度等の関税メリットや、自動車産業をはじめとした各種産業の市場について記述している。「第4章 外資系と財閥が市場を支配」においては、外資の影響が強い銀行や保険などの金融部門の概要や、国内市場に強い影響力を持つカルソ・グループ等の財閥のほか、日系企業、アメリカモビル等の多国籍メキシコ企業の動向についても紹介している。「第5章 FTA推進から競争力強化へ」では、メキシコが最初に締結したNAFTA以降のFTA交渉の状況、一定の成果を挙げたとされる日墨EPAを解説している。「第6章 経済成長加速のための中長期的課題」では、米国依存、脆弱な歳入構造、柔軟性の低い労働市場、国営企業による炭化水素資源の独占などメキシコが抱える問題点と国際競争力強化のための施策を記述している。「第7章 ビジネスアプローチに必要な実務知識」では、メキシコで企業を設立する際の手続について、根拠法規、フローチャートを示しながら分かりやすく解説している。巻末に、参考文献のほか、付録として、主要経済指標、メキシコのお役立ちウェブサイト、メキシコの主要経済・産業団体を収録している。