本書は月刊『細胞工学』の別冊で、監修の九州大学生体防御医学研究所の2名を筆頭に、29名のライフサイエンスの研究者が執筆に加わり、タンパク質の解析方法であるプロテオミクスについて、様々な角度から解説している。カラーの図を多用し、論文末には参考文献が掲載されている。 ; 「第1部 技術編」の「間違いだらけのマス選び:質量分析購入ガイド」では、マススペクトロメーターの型別の特徴を紹介し、「高感度質量分析のための液体クロマトグラフィー」、「次世代定量プロテオミクス」、「翻訳後修飾プロテオミクスの最前線」、「質量分析イメージング法:質量顕微鏡法について」、「超々高感度質量分析への道のり」では、プロテオームの最新研究動向について解説している。「第2部 基礎生物学編」では、「ペプチド連結型スタンダードを用いたタンパク質複合体構成成分の定量解析」、「染色体を構築する複合体のプロテオミクス解析」、「リボヌクレオプロテオミクス研究に向けたLC-MSシステムの開発」といった生物学的アプローチの論文を、「第3部 医学・医療応用編」では、「癌バイオマーカー探索のための蛍光二次元電気泳動法」、「iTRAQ試薬を用いた疾患バイオマーカー探索」、「2DiCALを用いた疾患バイオマーカー探索」、「体液プロテオミクスによるバイオマーカー探索」という医学分野への応用を試みた論文を特集している。