2008年刊の『日本のフェアトレード』の姉妹編である本書では、国内外のフェアトレードの市場調査について報告している。第1部「日本のフェアトレード市場調査報告2008」は、日本のフェアトレード市場の現状報告(第1章)、日本におけるフェアトレードの課題と対応(第2章)、日本のフェアトレードショップの思い・声(第3章)で構成されている。国内でのフェアトレード市場の規模の現状、流通経路や販路別シェアなど市場の構造を示し、今後の伸び率を予測している。こうした統計分析と記述回答からの定性分析に基づいて普及の可能性を示唆し、小売店や企業の課題と対応のほか、自治体の取組みへの期待も述べている。第2部「世界のフェアトレード市場報告」では、フェアトレードのネットワーク組織が共同実施した調査結果(2008年11月発表)を紹介している。第4章では、調査結果を要約し、先進消費国33カ国の市場規模とその動向を紹介している。第5章では、報告内容の中から日本のフェアトレード活動の参考になると思われる記述を取り出し、各種団体や企業、小売店の取り組み方やネットワーク組織とその役割を解説している。巻末には、資料として調査実施要領と調査票を付す。