本書は、圧電材料の特徴や製造法などの基礎と応用事例について解説した資料。「第1編 材料の特徴と製造方法」、「第2編 先端的製造法」、「第3編 分野別」、「第4編 EUの規制動向」からなります。第1編の「第1章 単結晶材料」では、水晶単結晶やランガサイト型結晶などの材料の特徴や製造方法(水熱合成法、チョクラルスキー法、ブリッジマン法)について解説している。「第3章 薄膜材料」では、酸化亜鉛材料、チタン酸ジルコン酸鉛系材料等の圧電薄膜材料に関する研究動向が紹介されている。「第5章 高分子材料」では、高分子圧電性研究の歴史と最近の研究の流れを紹介し、高分子圧電体の作製法を簡潔にまとめている。「第6章 非鉛セラミック材料」では、非鉛圧電体・アルカリニオブ酸系材料について取り上げ、「第7章 圧電薄膜」では、圧電MEMSに用いられるPZT薄膜、AiN薄膜について紹介している。第2編「第1章 MEMSスイッチ」では、圧電MEMSスイッチの作製プロセス、圧電RF-MEMSアクチュエータ技術について解説している。第3編「第2章 アクチュエータ応用分野」では、PNN-PT-PZ系圧電セラミックスの材料技術とAg電極との一体焼成について概説しているほか、圧電材料を用いたインクジェットヘッドの構造とメニスカス制御技術による液滴の微細化技術について解説している。第4編では、欧州における電子部品の鉛規制状況(第1章)、日本の有害物質規制(第2章)のほか、「第3章 新規圧電材料と開発動向」では、ビスマスペロブスカイロ系非鉛強誘電体を含む多成分系セラミックスの圧電特性並びに相転移温度と組成との関連について概説しているほか、KNbO3系セラミックスの圧電的諸特性について解説している。