生活と深く関わっている茶を様々な角度から紹介した資料。カラー写真や図版も多用され、Ⅰ巻は「歴史・文化」、「品質・機能性」、「品種」、「製茶」、Ⅱ巻は「栽培の基礎」、「栽培技術」、「生産者事例」で構成される。Ⅰ巻ではまず、茶の原産と分類ならびに世界の茶の歴史と生産・流通・消費、さらに日本の喫茶の歴史、茶摘み歌や言葉など習俗に見られる茶を導入に、おいしい淹れ方や多彩な食べ方を紹介している(「世界の茶、日本の茶」)。次いで、日本の茶産業の歴史を奈良から江戸期、明治期から戦間期、戦後に分けて解説し、育種や栽培の技術、日本の茶の産地と利用・消費動向を分析している(「茶の生産と消費」)。後半は、飲料としての位置づけや成分とその生成(「茶のおいしさと機能性」)、経営形態やマーケティング(「茶の経営・販売戦略」)、育種の動向、主要品種と栽培特性(「茶の育種と品種」)、茶葉の管理と製茶の方法、製品化の手法や技術(「製茶」)、茶別審査法、品質評価法(「茶の審査・品質評価と管理」)など、7章にわたって茶の概要を説明している。