「医食同源」という言葉が示すとおり、食と健康は密接な関係がある。食品のうち、身体によい働きをする成分を強化し、健康増進を目的として作られた加工食品が“機能性食品"である。本書は、文科省で行われた研究を中心に、「機能性食品」、「機能性食品成分の科学」、「食品機能評価法」、「機能性食品とニュートリゲノミクス」の4編から構成されており、機能性食品について体系的に解説がなされている。第1編では、機能性食品の現状が、その歴史や位置づけなどを中心にまとめられている。第2編では、タンパク質や糖質、プロバイオティクス、ポリフェノールなど個々の素材の成分や用途が具体的に分析され、第3編では疫学と機能性食品の関係が述べられている。第4編に出てくるニュートリゲノミクスとは、今世紀初めにヒトゲノム計画が完了したことを受けてヨーロッパに誕生した「栄養ゲノム科学」のことで、今後機能性食品と密接に関わり、展開していくことが予想されている。